[2013年6月20日]
ただ今、当塾本八幡校では、全国統一小学生テスト(四谷大塚主催)の成績データ返却に合わせる形で、見直し学習会を実施しております。
くだんの6月2日(日)試験日本番の結果が、数値化されています。数値として、偏差値、全国順位、都道府県別順位が表示されており、各科目の得意苦手分野が分析されています。正答率が低い問題が正答した場合の印もあり、また反対に正答率が高い問題を失点した場合の印もあります。さらには今回小6もテスト対象学年となり、参戦できることになりましたが、小6の場合、志望校判定も確認できます。
本当に成績データとしてよくできていると感心してしまいますが、ただし、子供たちの学力は必ずしも数値だけでは判断できません。何よりも今の処理能力のレベルやこれからの学習法において、最も見極めの材料となるが、本人そのものの理解力です。この理解力は、学力の源泉ですが、なかなか成績データだけでは判然としません。何よりも、じかに本人に学習指導してみることで、現在の力量と、これからの伸び代、成長の余地が細やかに分析できます。
そういう事情もあって、目下、見直し学習会を推進しておりますが、数字上では、偏差値50近辺の成績の子が、いやはや、見直しの指導をすると、かなりの力量の持ち主だということもあります。
では、なぜ、テストで実力が出し切れなかったのかというと、これは、算数において顕著ですが、技術的な問題です。そもそも算数の勉強法が間違っているからです。これについては、本ブログで、何回かに分けて、前段の対策授業学習会の模様をご説明しましたが、同じことが言えます。
多くの子供たちが、学校の算数の影響なのでしょうが、生半可に算数は計算と思い込んでいるケースや、計算式だけで答えを導こうとするケースが見受けられます。ここには──「どうやったら、答えにたどりつくのか」、算数の醍醐味ともいえる、プロセスの工夫がありません。
いかに、文章で表された算数の物語を、論理的に一つ一つの条件をたどりながら、図や絵を組み立てていくことで、一気に世界が見えます。
わあー! 見えた! ──という途轍もない感動が爆発します。右脳のひらめきが誘発された瞬間です。
とにもかくにも、算数が好きだという子供は、この算数の美しい世界観を知っています。だから、算数の文章題に夢中になるのです。
そしてこの感動をエネルギーとして、どんどん脳の中で、算数の回路を細やかに創り上げていきます。この力が、高校受験や大学受験、さらにその先の社会人としての仕事力へコネクトします。
しかし、残念ながら、学校の算数の授業では、こうした光景がとても少ないからでしょう。あるデータによれば、「世界の小学生の67%が、算数が好き」というのに対して、「日本の小学生はたった39%しか算数好き」がいません。
もちろん、学問は算数だけではありません。国語の読み取りにも技術があります。理科、社会にも技術があります。何の工夫もなく、ぼーっと眺めて覚えればよいというものではありません。ただ単純に、ドリルや書き取りをこなせば、それでよいはずがありません。
強調します。──思考は技術です! 思考を一つ一つつなぐ技術が、脳内に思考の回路を創ります!
よろしければ、今回の見直し授業を良い機会とし、本物の算数の技術、本物の国語の技術、本物の理科、社会の技術に触れてみてはいかがでしょうか。
きっと、自分の体内の内側で、大きな化学変化のような衝撃が起こるはずです。ぜひ、底知れぬ学問の感動を、思う存分、味わってみてください。そして、願わくは、この学問の感動を、未来に活躍する自分へつなげてください。