[2013年7月13日]
なぜ、空は青いの?
時折、海の水に反射するから、と答える方がおりますが、これは間違いです。
では、答えです。
空気の主な成分は、窒素と酸素ですが、これに太陽光があたると、さまざまな方向に光を放射します。光の波長が短いほど、散乱しやすいので、波長が短く、人間の視覚でとらえやすい青色が、目に入ってきます。したがって、空全体を見たときに、空は青いと人の目が認識するのです。
なぜ、空は青いの? にとどまりません。
世界とは、不思議なことばかりの宝庫です。
ところが、大人は日常の忙しさに埋没し、いつの間にか、世の不思議に向き合う回数が減っていきます。
しかし、子どもは異なります。
なぜ? なぜ? なぜ? と、
素朴な疑問を持ち、その答えを知りたがるのが子どもの特徴です。
子どもは、「なぜ?」を探求する好奇心のかたまりともいえます。そして、この「なぜ?」を突き詰めていくことで、子どもの脳の回路は著しい成長を見せます。
ここで、仮に算数の文章題があるとします。答えがあっているかどうかで満足する子どもがいるとしたら、本来備わっているはずの「探究心」が、悪い意味で、大人化しています。
学問の基本は、どうしてこの答えになるのか、そのプロセスを細やかにたどっていくことにあります。
算数の文章題でしたら、まずは文章の言葉を正確に読み取ることです。次に実際に手に筆記具を持ち、図示することで、言葉という記号を、映像変換します。さらにどんな仕組みになっているのか、どうしたら答えまでの目的地へ進む道筋ができるのか、図を駆使しながら、丹念にこの謎を解き明かすことで、ゆくゆくはゴールに到着します。
こうして、思考の道筋をつくることで、脳の回路は細やかに形成されますが、さて、もしも、この過程を省き、答えにしか目がいかないとしたら、脳の状態はどうなるでしょう。どうして、思考の道筋なくして、脳の回路が発達することがあるでしょうか。
学習において、最も大切なのは、答えがあっているかどうかではありません。なぜ、この答えにたどりつくのか、思考のプロセスをたどることこそが、人間の脳を健全に育みます。
ぜひ、一度、お子様のノートをご覧ください。そこに答えしか書かれていないとしたら、果たしてそれは本当の意味での学習と呼べるでしょうか。
じっくり学習ノートを見るに、なぜを解き明かす、道筋が書かれているかどうかが、やはり重要です。ひとたびノートを目に留めることで、お子様の学習における健康状態を把握できます。本校では、ノート学習を重んじておりますが、ノート力を高めることで、子どもたちの学力を確実に育てていくと信じております。