[2013年9月4日]
9月2日に、埼玉県や千葉県で突風が直撃し、けが人60人以上、建物の被害は600棟以上という大惨事となりました。その後の気象庁の発表によれば、やはりその正体は竜巻のようで、かつて経験のない災害に、驚かずにはいられません。
経験がないといえば、この夏の猛暑です。熱中症で死を招くケースは決して少なくなく、その対処法も、過去の経験則が通用しません。「冷房の風が嫌だから、冷房をつけない」というお年寄りが持ちがちな考えは、とても危険です。また、運動部の学生たちに至っては、あまりに暑い日は練習や試合をひかえないと本当に命取りになってしまいます。
先ごろ、気象庁の分析検討会が、今夏の猛暑や豪雨を「異常気象」と結論づけたと言いますが、今年限りの話のように思えません。
もはや気象のこのような異常が、平常化しつつあるのではないでしょうか。しかし、それは何も気象に限った話ではなく、社会全体で過去の常識が通用しなくなっています。
いわば安定という言葉など過去の遺物であって、常に自分を成長させていくことが求められます。
まさに安倍政権は成長戦略を掲げていますが、国として、成長戦略を選択するということは、この国の当事者は私たち国民ですから、それは他人事ではありません。自分たち自身が成長を選択するということを意味します。
何より過度に変化や成長を強調する時代にあって、どうあがいても時計を逆回しすることはできません。今さらスローライフや過去の不自由な暮らしに、ノスタルジーを抱くことはあっても、戻れないはずです。
寧ろ、いかに変化や成長の魅力を知る人間に育て上げられるか、まさに教育の力が試されます。すでに新指導要領が実施され、最近では都立小中高一貫校の「4・4・4制」が発表されています。賛否両論あるようですが、いずれにしても教育自体もまた、変わらないという選択が、許されない時代だということです。