[2013年9月8日]
「世界で最も影響力のある50人」が米金融情報大手ブルームバーグから発表されました。
ジェフ・ベゾス(アマゾン・ドット・コム創業者)、李健煕(韓国サムソン電子会長)、マリッサ・メイヤー(米ヤフーCEO)、ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授・ノーベル経済学賞受賞者)、シェリル・サンドバーグ(フェイスブック最高執行責任者)……
この50人の中に、日本人では、2人、名を連ねています。甘利明 (経済再生担当相)、孫正義(ソフトバンク創業者)です。
いずれも、優れたビジョナリーであり、イノベーターであり、そして、強いリーダーたちです。
この日本にとどまらず、強いリーダーが求められる時代にあって、リーダーシップの弱さが殊更非難されがちです。しかし、リーダーシップが弱いということは、その対極のフォロワーシップが弱いということを意味します。
何かうまくいかなければ、批判はリーダーに集中します。フォロワーたちは、批判にばかりにのめり込み、自分も当事者であることを見失います。
もちろん、リーダー自身の問題もあるでしょうが、問わなければならないのは、フォロワー一人一人の問題です。少なくとも、批判だけして、さあ、おしまい、そしてまた、次のリーダーが失敗したら、さあ、思い切り文句だけを言おうということを繰り返します。
しかしながら、この国はなかなか捨てたものではありません。ついに、2020年の東京オリンピック開催が決まりました。今回は、事前準備がとてもすばらしく、日本代表者のプレゼンテーションは、心を打つものでした。
まさに、猪瀬都知事が会見で発言していたように、プレゼンターたちやサポートスタッフたちの「チームの勝利」という印象ですが、日本人全体も思いを一つにできたのではないでしょうか。何よりも、優れたリーダーたちとフォロワーたちをつなげることができたオリンピック誘致プロジェクトです。
ただ、福島原発の汚染水問題もあり、手放しで喜べるわけではありません。とりわけ今回は、東京オリンピックの開催を通し、東日本大震災の復興支援をアピールしたこともあります。何が何でも日本人全体が一丸とならないと、ライバルだったスペインやトルコの方々にも失礼です。
やはり私たち自身が当事者です。喜ぶときだけはこれを共有し、何か問題があったら、批判と文句ばかりに力を入れるのは、あまりに民度が低く、とても悲しいことです。今回の東京オリンピック開催が決定したことを喜ぶだけではなく、東京オリンピックを成功させる責任者は我々自身であることを意識できないものかと思います。
さて、教育に何ができるかを自分に突きつけなければなりません。教育を通して、優れたリーダーと、優れたフォロワーを育てる責務が、私たち教育者にあります。