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個別・少人数集団の塾「あっぷ指導会」
船堀校(あっぷ船堀)

[2013年9月23日]

市川市本八幡の進学塾:将来へつなげる国語力

 ことさら、教育や学問をテーマとしている本ブログです。何よりも、全国統一小学生テスト(四谷大塚主催 11月3日実施)の開催を記念しまして、今回より数回に分けて、科目別の学習法について、書き綴っていく予定です。

 ということで、初回は国語です。どうしても、この国では、母国語の選択を日本語としていますから、多くの場合、日本語という記号を通して、理解をすることになります。

 したがって、算数、理科、社会といった科目でも、日本語を必ず介して把握するので、国語力はすべての学習の要ともいえます。

 ただ間違えてはいけないのは、入試で合格するために獲得する国語力はとてもちっぽけだということです。将来、社会に出て生きていくために、国語力は絶対に欠かせないと思って、今の国語の学びを将来へつなげるイメージを持っておくことを、おすすめします。そこまでの段階段階で、進学へ向けた入学試験、あるいは進学後の定期試験で、国語と言うテストが試され、その能力の位置付けを確認していくこととなります。

 そうすると、将来の話ですが、仕事をするときは、当然この日本に所属するなら、多くは日本語をコミュニケーションツールとして、情報の送受信が行われることになります。もっともいっそう英語をコミュニケーションツールとする機会は増加していくことになるでしょから、英語の習得も必須であることは記しておきます。

 さて、もしも皆様が大人になったときのことを想像してみてください。何かを判断するには、当然情報を脳に取り入れなくてはなりません。そうすると、紙ベースにしても、電子ベースにしても、書類の大かたは言葉で構成されています。

 出来る限りこうした書類について、素早いスピードで正しく情報を集約し、自分の脳を駆使して解釈しなければなりません。またこの受け取った情報は、いったんは映像化され、全体図を把握できる状態としてから、チームで情報を共有する際や、プレゼンテーションをする機会には、取り入れた情報を、周囲が納得できるように、力説することとなります。そのときには、資料をわかりやすくまとめあげる力も必要でしょうし、口頭による説明能力も充分問われることでしょう。

 言うに及ばず、国語のスキルなくして、将来の仕事が成り立たないということを充分知りながら、自分の最終進化系のビジョンをもって、読み取り能力や表現力を磨いていく必要があります。

 そのような未来の成長まで踏まえた上で、ただ今、当塾本八幡校の公立中高一貫校対策コースなどでは、国語の読解力と表現力の育成に力を注いでいます。

 その方法論のひとつが、あらすじ訓練です。実際に入試レベルの国語の文章を黙読した後、もう一度文章をなぞることなく、あらすじを書きあげます。

 最も留意すべきは、文章として書かれてある、ひとつひとつの言葉という記号をすべて、イマジネーションへ変換することです。言語を映像化する作業が第一です。

 そのとき、複雑に思える文章を、いかにシンプル処理できるかです。論説文なら、原則として、作者の伝えたい一論点を追いかけ、最終的にまとめた一帰結点へつながるようにすることです。

 そもそも作者は訴えたいテーマに対して、必ず結論をもってしめるわけですが、読者に納得してもらおうと、くさぐさ論証をするわけです。

 その過程では、定義付けの明示があれば、具体例や引用をたくみに使い、テーゼに対してアンチテーゼをぶつけながら、高次の展開へ引っ張ることもあれば、はたまた演繹法や、場合によっては帰納法などの思考の技術を投入します。

 いずれにしても、作者は問題を提示し、その結論に対して、説得力をもたせるために、書きあげるわけです。

 ということで、実際にはこんな具合が、【あらすじの模範解答例】です。よろしければぜひ、ご参考ください。


【あらすじの模範解答例】

一論点:
障害者が不自由でかわいそうだと思わない社会にするためには

一帰結点:
子供の頃から、慣れによって、心の壁を取り除く。心の壁がなくなれば、ハード面のバリアフリー化も進む

あらすじ:
物理的なバリアがあることで、障害者をかわいそうだと人は思う。物理的な壁を取り払うには、まず心の壁をなくすことだ。この心の壁をなくすには、「慣れ」が大切。子供は大人と違って、健常者と障害者の区別をつけず、疑問を隠さない。障害者を見ればどうしてという疑問を素直にぶつけ、その疑問を解決することで、慣れが生じ、心のバリアフリーが実現される。もしもいつまでたっても障害者を特別だという意識を持つのなら、それは障害者の責任。どちらも人間であって、どちらにも人柄や相性といった問題がある。