[2013年9月26日]
本日もまた、「全国統一小学生テスト(11月3日【日曜日】開催)」を記念し、科目別学習法のご紹介です。今回の科目テーマは理科です。
国語には、国語、算数には算数の学び方があるように、理科は理科で正しい学び方を得なければなりません。
とても残念なことに、日本の子供の理科離れが深刻だという話がありますが、学問の面白さでいうと、理科こそが、とっつきやすい科目です。正直申し上げると、面白くない学問などありません。もしも面白くない科目があるとしたら、その人間のセンサーが鈍っているからです。本来人間に内在している知的好奇心さえ眠らさなければ、各学問に夢中になって当然です。
したがって、まず眠りから覚め、心を開くことです。嫌いとか苦手とかいうつまらないブレーキを踏むくせを今すぐやめるべきです。何より、理科が面白いのは、日常にある自然現象こそが、教科書である点です。そもそも知的好奇心旺盛の子供が抱く「なぜ?」を答えるのが理科の真髄です。
「なぜ空は青いのか?」
「なぜ水と氷の塊である雲が、空に浮いていられるのか?」
「なぜ洗濯物を干すと、乾くのか?」
たとえば、川が流れるのには理由があります。高いところから低いところへ向かう落下の法則が働いているからです。たいへん巨大な地球の質量が、あまりに大きいので、それに応じて重力も大きく、質量のあるものなら何でも引っ張ってしまいます。質量はエネルギーであり、エネルギーは質量です。すなわち、質量とエネルギーは等価といえます。
もう少し敷衍しましょう。一粒一粒の水は、地下水がわきでて、さらには雨が落ちることで、水量を増やしながら、高い山から、低い海へ流れていきます。動力源は、位置エネルギーです。質量を持つものなら、すべてこのポテンシャルのエネルギーを秘めており、これが運動エネルギーへと転化することで、自然と動きます。
普段、当たり前のように、コンセントに差し込んで電気のエネルギーを使って、テレビをつけたり、パソコンをつけたりするはずです。あるいは、車を動かすのに、ガソリンが必要なのも知っているでしょう。第一、人間である我々もまた、食事をすることで、体が動くという感覚があるに違いありません。
ところが、高いところにあるだけで、運動すると言う事実については、意外にもとても不思議に感じるかもしれません。雨が落ちるのは、雲を持ちあげていた上昇気流が弱まることで、相対的に地球が引っ張る力の割合が強くなるからにすぎません。また机の上から物を落とせば、すぐさま位置エネルギーは運動エネルギーへ変換されるでしょうし、坂道を歩けば、下へ引っ張られ、体が軽くなる感覚になります。もっというと、ジェットコースターが下へ向かうときも、地球が引っ張ることで、動きますが、位置エネルギーが徐々に運動エネルギーへ切り替わることで、加速します。
これらすべて、理科の現象です。しかも、理科の学習レベルが上がっていくと、ここに数式がついてきます。たとえば、大きな世界は、一般相対性理論の数式で説明がつき、小さな世界は素粒子の数式を用いてすべての説明がつくとされています。また全宇宙に解釈をつける際は、一般相対性理論の数式と素粒子の数式に、超弦理論を組み合わせることで矛盾なく説明がつくのではないか──などというのが、世界の物理学研究の主流となりつつあるようです。
つまるところ、多くの自然現象は、数式で表せます。この数式の力を用いて、世の真理を解き明かすことが可能だとされますが、これもまた理科の魅力でもあります。