[2013年10月28日]
まだ大人の次元に到底届かず、半人前扱いされる子供が何人かいるとしましょう。
たとえば、会社のような組織の中に、その半人前の子供が10人いるとします。単純計算で、0.5人分の能力(半人前なので)を10回足し算した5人分の力(0.5+0.5+0.5+0.5+0.5+0.5+0.5+0.5+0.5+0.5=5人分)となるのでしょうか。
実際に、一人前の大人5人のチームと、半人前10人のチームと比べたとします。単純計算通り5(1の5回の足し算)対5(0.5の10回の足し算)の互角のチーム力となるとは──よもや誰もが思わないはずです。
一人前であるからこそ、戦力になるのであって、半人前はいればいるほど、かえって足手まといとなります。
極論を言えば、仕事場の人材の力とは、足し算ではなく、掛け算に近いのかもしれません。半人前が5人いたら、0.5×0.5×0.5×0.5×0.5=0.003125人分の力となり、高々ようやく一人前程度なら、これが5人いたって、1×1×1×1×1=1の働きです。
この組織の掛け算論を引っ張りますと、1より大きな1.1、1.2の力がないと組織力は大きくなりません。しかし、仮に、2とか3とかの力がある人間が複数いると、組織は膨大の力を発揮することとなります。
そうすると、組織において、いかに一人一人、個の力が求められるかということに行き着きます。
ひとつ持ちだすなら、サッカーや野球のチームをイメージするとよいかもしれません。
いくら優れた戦術があったとしても、一人一人の力がなくては、チームが勝つことはないはずです。
やはり、メッシやロナウドなど、何人分もの価値あるスーパースター級がいるといないとでは大違いでしょうし、それとは反対に、そのチームの中に、もしも力のない選手が一人でも二人でもいると、先の掛け算論を使うと、チーム総力は落ちていきます。30ある総力に対して、0.5の力が加わったら、30×0.5=15となり、完全に人材がチームの足を引っ張ることになります。
だからこそ、子供のときにうんと学ぶことです。いっぱしと呼ばれるレベルをはるかに超える人材が集まらないと、その組織、その共同体は強くなりません。
まだまだ子供の時分でしたら、一人前には程遠いはずです。したがって、大切な学びの時期にあるわけです。
今は半人前であっても、ぜひとも志高く、今の学びの一つ一つを、未来に活躍するただ一点へつなげてください。