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個別・少人数集団の塾「あっぷ指導会」
船堀校(あっぷ船堀)

[2013年11月20日]

市川市本八幡の進学塾:人物重視型の時代へ

 先日の全国統一小学生テスト時の個別面談でご質問がございましたが、総じて、作文技術へのご関心はとても高いようです。

 日本の教育制度が、知識の詰め込み重視型から、人物重視の総合評価型へ舵を切る流れができております。もはや古い時代の教育に見切りをつけ、海外の人材育成を見習い、教育業界でも、プレゼンテーションの技術が研究されています。

 すでに個別面談にて、この辺りご説明しておりますが、今回、ご見本を掲載します。

※作文問題の文章については省略します。

【問1】子供の世界でよく起きる三つの問題とは?

【答え】
他人を責めることで、自分が責められないようにすること。

他人の欠点ばかり探すことで、自分の未知の可能性から逃げてしまうこと。

自分が何者であるかを知らず、自分で自分を認められないことで、いちいち場の空気ばかり気にして、他人への思いやりに余裕がないこと。

別解:アイデンティティの確立から始まる自己肯定の考えを見失うことで、場の空気ばかり気にして、他人を思いやる優しさまで配慮できなくなること。

【問2】できる限り、幸せな社会を目指すために必要なことは何ですか? 筆者の考えに沿う形で、そのことに関連したあなたの経験と、その経験から得たことや気づいたことなどについて、800字程度で書きなさい。必ず、筆者の見解について説明した上で、「人の優しさが感じられるひと場面」を盛り込み、「自信」という言葉を使うこと。

【答え】
 いかに自分が何者であるかを知り、どれほど自分で自分を認められるか、その大切さを筆者は主張します。こうした自己を肯定する力によって、他人を思いやる優しさが芽生え、ひいては、それが幸せな社会の実現のために必要な要素となります。 

 ある雨の日のことです。突然烈火の如く、父は怒り、私の大切な本を、玄関に投げ捨てました。誕生日に、両親から買ってもらった「ニルスのふしぎな旅」という児童文学です。あまりの衝撃にびっくりしながら、必死になって裸足でその本を拾い上げました。玄関は雨水で濡れていたので、私にとって大切な宝物は、ワンワンと情けなく泣く私と同じように、無残な姿になっています。あまりにひどい仕打ちでしたが、正しいのは父です。なぜなら、私が妹に意地悪をしたからです。この「ニルスのふしぎな旅」を貸してあげないどころか、わざと妹のいる前で、面白がって読んで見せたのです。

 私の父は、勉強のことで、とやかく言わない人ですが、人への優しさを子供たちに伝えることには、殊更ムキになります。実は私の父は大の泣き虫で、怒っているはずの父の顔を見ると、いつだって苦しくて泣いています。一緒に苦しみも悲しみも分かち合えるくらいに、本当に優しい気持ちを持っている人です。それでいて、どんなときでも、自分の考えや生き方に自信があるので、一貫性があり、絶対にぶれません。そんな父の姿を見るに、もっと自分の考えをしっかり持つことで、優しさを人に与えられる人間へと成長したいです。そしていつか、幸せな社会を築く一員として、その責任を果たすことを目指しますが、手本はやはり強くて優しい私の父です。