[2013年12月21日]
生きることは考えることだ
To live is to think.
この言葉、共和制ローマの政治家でもあるキケロの箴言です。キケロというと、「カエサルと並ぶラテン語散文の名手」あるいは「古代随一の雄弁家」としてその名前をのこしています。
若い頃は自信過剰で、名家とはいえないキケロ家を、「スキピオ家のように有名にしてみせる」と豪語し、その言葉の通り、ローマの政界において順調に出世を果たします。
ついには元老院から「祖国の父」の称号を受けるまでの地位にのぼりつめますが、カエサルとの対立を経て、カエサルの暗殺後は、政争に敗れ主流派から追われる身となります。
そうして後に、アントニウスの刺客に殺害され、切り取られた首と右手がローマの広場にさらされるという末路をたどることとなります。
キケロの非業の死はとてもショッキングですが、話が逸れましたので、ここで冒頭の言葉に戻りたいと思います。
考えること自体を面倒くさがる子ども達がいますが、人間がほかの生き物よりも高度な進化を遂げられたのは、大脳新皮質の前頭葉を発達させ学習能力を武器にできたからです。
最近の子ども達の特徴として、ゲームのやりすぎにより、前頭葉の未発達が心配されているという脳科学の研究もあるようですが、そのような危険性を鑑み、日頃より考えることの重要性を認識した方がよさそうです。
キケロ流に言うと、「生きることは考えること」を重んじた生活を送るためにも、子供たちには思考力磨きの学習にいそんでほしいと望みます。