[2014年1月2日]
「芸術は長く、人生は短し」という言葉があります。一般的に、「人間の命は短いが、優れた芸術作品は作者の死後も長く人に語り継がれる」──という意で使われます。
紀元前5世紀ごろ古代ギリシアの医者として活躍したヒポクラテスの言葉です。まさに「医学の父」とも称され、経験的知識を基礎とした医術を確立した人物です。
「芸術は長く、人生は短し」という言葉の、いわば父でもある、ヒポクラテスは、実は我々現代人がよく知る意味の語として唱えていたわけではなかったようです。
彼の込めた意はこうです。医術を修得するには長い時間がかかるが、人生はあまりに短いから時間を惜しみ学問に励むべきだ──
そうすると、学生に向けた言葉なので、この語の真意を学生なら心して読み取らなければならないのかもしれません。
何も医術に限りません。人生の短さ、時間が有限であることを切に感じ入り、ぜひとも学問にいそしんでほしいと思います。