[2014年1月7日]
映画『グラディエーター』はやや史実から外れているところもあるようですが、ローマ皇帝コンモドゥスは実在した皇帝で、「暴虐帝」とも呼ばれる暴君として知られています。
映画のラストシーンでは、ラッセルクロー演じる剣奴の英雄マキシマスと円形闘技場で死闘を演じますが、映画にも描かれていたように何を差し置いても剣闘好きで、自らも参戦し、1万2千万人の剣闘士を殺害したとも言われています。
まさにその悪評はキリスト教徒の大迫害で知られる皇帝ネロに匹敵するのではないでしょうか。ただし、この愚かな息子と比べ、父はあまりに偉大です。映画の序盤で登場しますが、その父マルクス・アウレリウス・アントニヌスは五賢帝の最後の1人で名君として有名です。
なすことの罪もあるが、なさぬことの罪もある
There is a sin of omission, not only one of commission.
マルクス・アウレリウスの言葉です
外からはゲルマン人の侵入、国内ではキリスト教勢力の拡大などその治世は多事多難でしたが、剣闘に現を抜かした息子とは異なり、自ら進んで陣頭指揮をとり、帝国の安定を維持したと言います。
何かをして失敗したとしても大きな経験を積むことができます。一方何もしなければ精神的苦痛は少ないかもしれませんが、何の進歩もありません。
やはりなさぬことの罪ほど大きいものはありません。
マルクス・アウレリウスの箴言は、子供たちの学習において考えさせられるところです。
間違いなど恐れず、むしろ間違いが人生の糧になるという発想をもって日々精力的な学習を推進してほしいと願います。