[2014年1月10日]
「見込みあればこれを試みざるべからず。未だ試みずして先ずその成否を疑う者は、これを勇者というべからず」
教育の名著『学問のすすめ』にある言葉です。
ご存知の通り、著者は福沢諭吉です。明治の六大教育家の一人で、「日本最高の啓蒙思想家」と称される人物です。
冒頭の言葉で、「可能性があるなら、まずは試みること」を推奨していますが、実は福沢諭吉自身が学問に目覚めるのは遅く、勉学を始めたのは14歳頃だったと言われています。
一念発起した諭吉の成長は目覚ましく、すぐに漢書を読みこなせるようになり、19歳の時には、長崎に蘭学修行に出ます。
一度火がくつくと、学問への意欲は勢い衰えず、二十代の時には渡米、渡欧を果たし、日本における洋楽の普及に努めます。
激動の明治の改革期において、とりわけ教育者として、日本の発展に貢献した人物こそ、この福沢諭吉です。
諭吉はまた同著『学問のすすめ』で、「進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む」とも語っています。
学問への目覚めが遅かっただけに、身にしみて、推進することの価値の重みを知ったのかもしれません。
諭吉の言葉を借りれば、まさに試みる勇者となり、熱意をもって前へ進む力を得てほしいと、学生諸子には願います。