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個別指導 育英ゼミ

[2025年4月22日]

高校の授業料無償化の改正の問題点

今回の改正は、まず2025年度から「910万円」の所得制限をなくし、すべての家庭が支援を受けられるようになり、続いて2026年度から「590万円」の要件も外し、支給限度額を私立高校の授業料の全国平均45万7,000円に引き上げるというものです。
今回の改正によって、格差が解消され、お子さんの進学の選択肢の幅が広がりますが、「無償化されるなら私立高校に…」と、私立への進学熱が高まることに対する懸念もあります。これまでは、家庭の経済的事情から公立高校に合格できるよう、最低限の勉強はする子どもが一定数いましたが、『就学支援制度』が始まり、学力をあまり問われない私立高校に簡単に進路を決める生徒が増えてきています。
しかし、忘れてはいけないのは、無償になるのはあくまで授業料だけで、その他の費用は別ということ。文科省の学習調査によると、学習費総額は公立高校と私立高校では1.7倍の差があるというデータもありますが、施設費などは私立の方が公立よりかかります。
今後『無償化』という言葉が先行すれば、最後まで勉強しないまま『私立でいいや』と決めてしまう子どもがさらに増え、公立高校の志願者数の低下や私立高校の授業料の便乗値上げを招く可能性も指摘されているのです。