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ITTO個別指導学院
埼玉幸手駅前校

[2019年12月18日]

高校入試と一味違う大学入試の話

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ついこの前、大学入試共通テスト「英語」の民間試験利用で「格差」が問題になりました。

検定料が高いものを複数回受けられる人とそうでないと人との経済格差。あと地方や離島、そして都市圏とに生まれる地域格差。ただ地域格差と言うことであれば、関東に住んでいる受験生にとっては問題なさそうですね。

なんとも上手く格差をなくして、受験生が公平にスタート地点につくことができればいいのですが・・・、と願うばかりです。

さて、大学入試ではこんなところでも「差」がつくようです。


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『入試方式選び放題』って?


例えば、よく話題にあがるのが、関西方面で人気の高い近畿大学。
そうです、あの近大です。マグロの養殖“近大マグロ”で一躍有名になった大学です。

この大学を受験する場合、普通の3科目スタンダード方式の他、高得点科目重視方式、高得点判定方式など、様々な合否判定の仕方を複数用意されています。

つまりオプションで追加することで、いくらでも選ぶことができる訳です。ただし、オプション一つ追加でプラス7,000円かかります。さらに、ここの大学では、学部内併願というのもできるようです。

多くのパターンを受けることによって、どこかに引っかかる可能性が増すというものです。たしかに、プラス7000円でわずかでも合格可能性が増すのなら、お金を払ってオプションを追加したいと考えてしまいますね。

さらに、試験日自由選択制というのもあって、2日間あるうちの好きな日を自分で選んで受験してもいいということです。

じゃあ、どちらにしようかな?^_^
なんて思いきや、いやいや、なんと自由選択なので2日とも受験してもいいのです^_^
どちらかの日は体調が悪いかもしれず,2日受ければ自分の得意な分野が出題される確率も増すかもしれません。

両方受験することで、合格の可能性が増すという話なのです。


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先に述べた、合否判定方式が複数あって、受ける日も複数あれば、どうなるでしょうか?1回の受験で合格できれば、受験料32,000円で済むもので、これが一番親孝行。

しかしオプションを2つ付けると46,000円。自由選択2日で92,000円。A日程で合格しないとB日程も受けますから合わせて受験料だけで184,000円がかかるということですよね。

このように場合によっては、合格可能性を最大限にするには,1つの私立大にこれくらい払うこともあるのです。

高校受験の時と比較しても、驚きの極まりとしか言いようがありません。

では具体的に、先述のオプションの高得点科目重視方式では、スタンダード入試と比較して、どのように違うのでしょうか。

この高得点科目重視方式は、まずスタンダード方式のテストを普通に受けます。

この試験結果のうち一番高かった科目の点数を2倍にする方式なの
です。

例えば
数70点
理80点
英90点
だったとした場合。

すると高得点科目重視方式だと数70点理80点英90点×2=180点と言うことになる訳です。

まぁ簡単に言うと高得点科目への傾斜配点ということでしょうか。
これは苦手科目があるにせよ、反面得意科目をしっかり抱えている人には向いている入試といえるでしょう。

酷い例
数100点
理100点
英0点
だったとした場合。
合計200点ですが、高得点科目重視方式だと300点ですよね。

1科目あたりの平均はスタンダード67点だが、高得点科目重視方式では100点となる訳です。このように高得点科目重視方式では、苦手教科の失点をおぎなえるものなので、全部が平均的に良い人にはメリットはあまり感じられないかもしれませんね。またスタンダード方式の受験は必須になります。あとスタンダード方式と高得点科目重視方式では合格者の枠が別々で確保されています。


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そのほか、英語の 『外部試験利用制度というのもあります。

これは、英語の各種資格試験等で一定以上の資格・スコアを取得している人には、「英語」の得点にみなして受験する方式なのです。当然ながら本番の英語の試験は受けることになりますが、実際の英語の受験得点と外部試験のみなし得点を比較して、得点の高い方を採用して合否判定をするものです。

以上のように一例として、長々と近大の入試について挙げましたが、現在では近畿大学だけではなく、法政大学・明治大学・早稲田大学・東洋大学・日本大学・中央大学などほとんどの大学で複数の入試方式による一般入試を取り入れているのです。


最後に、複雑化する大学入試に備え私達塾人もいつでも自信を持って生徒達に進路指導できるように、日々勉強、日々情報収集をしなければいけません。一人でも多くの塾生の笑顔のために・・・。教室長