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ITTO個別指導学院
埼玉幸手駅前校

[2023年6月9日]

(私立)佐野日本大学高校を訪ねて

img1校舎正面


先日(6月7日水曜)、今春入試の総括と来春入試に向けての『塾対象学校説明会』が行われましたので、概略をお伝えさせていただきます。なお併設されている中等教育学校については割愛させていただきます。



(1)同校の今春入試の状況

 同校は、日本大学の付属校で、普通科3コース+αクラスを設置している栃木県屈指の進学校になっています。

◎設置コースと定員(普通科510名)
特別進学コースαクラス 30名
特別進学コース 120名
スーパー進学コース 160名
進学コース 200名

▶今春の入学者数(397名)
特別進学コースαクラス 19名
特別進学コース 83名
スーパー進学コース 144名
進学コース 151名
とのこと。

 募集人数よりも入学者数が少ないので定員割れのように思われますが、あくまでも同校の募集人数は目安にすぎません。学力レベルを最低限おとさないようにするために、出願数に関わりなく、出願先コースのレベルに到達していなければ入学を許可しないという考えの学校なのです。※過去には単願推薦でも不合格者は出ています。

 もっというと定員を埋めるために、安易に基準をさげるということはありません。入学レベルに到達した生徒さんだけを受け入れる、無理に定員を埋めようとしない、そのような方針が安定した大学合格実績に結びついているようです。※この部分にブレがないのは見事です。

 さて今春の高校入試の状況ですが、出願数、受験者数、入学者数とも例年通りの状況のようでした。

 例年入学者の約三分の1が埼玉県の生徒が占めているというお話も以前伺ったこともあります。それだけに将来を見据えた場合、同校に足を運ぶ価値があると判断に至るご家庭が多いのではないでしょうか。
ちなみに今春の埼玉県出身の入学者数は108名、実に入学者総数の27.2%が埼玉県からとなっています。今後もますます同校には注目が集まるのではないかと思います。


img3 授業風景

img4 部活も活発チア部


(2)いきなりですが今春の大学入試結果から 

 今年の卒業生の進路は、大学現役合格率98.3%と例年同様高い合格実績を輩出。この8年現役合格率98%以上をキープできているようです。また現役大学進学率97.4%。いつもながらですが力強い実績です。(日大への内部進学含む)


【国公立大学】

東京大(理科1類)1名をはじめとして、
東京工業大、群馬大(医)、筑波大、など35名合格。
※東京大は昨年こそ0名ですが一昨年は4名合格と実績あり。


【私立大学】

日大を除く難関私立大学には198名合格。
早稲田大4名、慶應大4名、東京理科大6名など有力私大に合格。

※医歯薬獣医系大学学部40名合格。
医歯薬系なら〈サニチ〉は強いは定番。
医学部1名
薬学部15名
獣医学部1名
歯学部12名
看護学部11名


 また日本大学の系列校ということもあり、毎年多くの生徒が日大に進学できていることも同校の魅力的なところです。今春はなんと364名合格。特に進学コースにおける日大進学希望者109名のうち90名合格、なんと82.4%の生徒が日大に進学できています。特に進学コースの場合、同等レベルの公立高校の卒業時の進学先と比較してみると大きな差異があることにお気づきになるのではないでしょうか。
附属校だからこその強みがでています。
いつもながらの安定した実績です。
また、進学コースは来年度より「N進学コース」へと改称して、日本大学への進学と高大連携にますます力を入れていくとのことで、更なる実績アップに期待が持てます。
併せて、スーパー進学コースとN進学コースに特化した「SN推薦入試」というあらたな推薦入試形式もはじまるとのことです。(詳細は後述)



(3)なぜ大学附属校が人気化してきているのか?(過去のトピックからの加工含む)

 それは政府主導『〜地方創生〜私立大学等経常費補助金の問題』があるからです。

 平成31年度から、入学定員充足率が1.0倍を超える入学者がいる場合、超過入学者数に応じて、補助金カット!する措置。首都圏の私立大学は地方大学に比べて人気が高く、定員充足率を大きく上回っている大学が多くあります。この現状を是正しなければ、大学側は補助金をカットされてしまうので、それに向けて少しずつ合格者数を絞る動きがでてきているようです。当然同校の親大学である日本大学も対象になっています。
 この問題で、昨今首都圏私立大学を一般高校から進学しようとするならば、かなりハードルが高くなってきていることは周知の通りです。

 ただ2021年度からは、以前に比べると定員を絞るような動きは鈍くなったようにみえますが、だからといって楽になった訳ではありません。安全志向が強まる中、今後も激戦区の大学が増えていくのではないかと予想されます。

安全志向が強まる中で、人気のある中堅有力大学群、中でも日東駒専の人気は高く、毎年難易度は上昇しています。
※日東駒専〜日本大、東洋大、駒澤大、専修大
※日東駒専の全国偏差値は、5年前と比べると概ね「10〜15」上がっています。河合塾偏差値使用、ただし学部学科によって差異有り。

 しかし大学付属の同校の場合は、付属高校のメリットを活かし、内部進学で有利に日本大学へ進学する機会を与えてもらえます。これはとても大きなメリットかと思います。
特に進学コースに進学した場合は、このメリットを大きく感じるかと思います。進学コースは、簡単に言うと中学校の平均的順位の方なら十分可能性があります。将来、大学進学を考えている方なら、まずは同校について調べておいて損はないと思います。



(4)来春入試に向けて

 それでは来春の入試に向けて、いくつかのご報告があります。

○文化祭〈一般公開あり〉
6月24日(土)

◯一日体験入学

?7月30日(日)  ?8月5日(土)  ?8月6日(日)
時間は各日共に9:30〜12:50
内容は、体験授業・キャンパスツアー・コース紹介・入試概要説明・部活動見学・進路相談と様々で、進路相談以外は基本的に入退場自由(進路相談は要整理券)


◯入学説明・進路相談会

?9月23日(土・祝)  ?10月22日(日)  
?11月3日(金・祝)  ?11月19日(日)  ?11月23日(木・祝)
時間は各日共に9:30〜13:00
内容は、入学説明・進路相談・キャンパスツアー・入試対策講座など


◯出張相談会

9月〜11月 



◯One to One個別相談会/個別進路相談会

12月までの第1・3・5土曜日 

◯学力判定テスト

10月14日(土)受験料無料
  ※学力判定テストの解説講座も10月下旬に開催予定


すべての行事日程については、インターネット申し込みとなります。詳細は同校ホームページをご参照ください。




○令和6年度(来春)入試の変更点

?「進学コース」を「N進学コース」へ名称変更(前述のとおり)

?新たに「SN推薦入試」を実施
 志望区分:スーパー進学コース・N進学コース
 試験日程:第1回入試と同日程
 受験科目:英・数の2教科 または 英・国の2教科
  試験の空き時間は「高校入学後の抱負」についてのエントリーシートを回答する
  配点はいずれも各教科100点の2教科計200点満点

?「推薦ランクアップ入試(単願・併願)」を実施
 これまで併願のみで実施していた、合格後にコース・クラスをランクアップできる制度を、単願でも実施することで出願時の分かりにくさを解消

?奨学生の選抜基準(学校順位)の変更
 単願推薦・一般単願および併願推薦で一部やや緩やかになりました。
 一般併願は学校順位による奨学生基準はこれまで同様ありません。

?推薦入試の出願資格について
 これまでのものに加えて、中学3年間での出席日数に関する要件が追加されました。

?試験範囲の公表
 同校としては初めて、各教科の入試出題範囲が入試要項およびHPに公表されています。





○令和6年度(来春)入試の選抜基準について


※※※※※この部分の内容については、当教室在籍の保護者様には、メールで直接お伝えさせていただきます※※※※※


各学年末五段階評定で「1」がないことが絶対条件。

あと英検、数検、漢検のいずれか3級以上取得している場合に優遇。 検定取得で一気に合格を引きつけたいところです。



(5)最後に

同校のみならず、年々学力レベルが上昇傾向の県内・隣接私立高校。言葉は悪いですが、いまや私立は“すべり止め”という感覚ではありません。しっかりと目的をもって学習する生徒にとっては、むしろ“本命”となりうる私立高校はたくさんあります。

“公立が一番、私立が二番”という考え方は、大人の事情が絡むからこその順番であって、本来はどちらも一番、二番ということはないと思います。本当の一番、二番というものは、同じ三年間を送る中で一つでも二つでも多くの選択肢を与えてくれる可能性のある学校が、その生徒にとって“一番”であり、それが公立なのか私立なのかは別問題なのです。
   
 将来大学進学を視野に入れている生徒にとっては、高校入試は目先三年間の問題ではなく、実は七年間の大切な問題になってきます。それだけに高校入試は、公立、私立関係なく、公平な視点で学校選びをされることが大切かと思います。目先に目がくらまないことが重要ではないでしょうか。     

 なお当教室に在籍されている方で、同校に関する詳細についてお知りになりたい方は、いつでも教室までお気軽にお問い合わせください。お待ちしております。  〔レポート担当:K〕