[2024年6月5日]
去る5月31日(金)、西武台千葉高校(千葉県野田市/以下同校)に
て、塾対象入試説明会がおこなわれましたので、概況をお伝えさせていただきます。 ここでは併設の「中学」については、割愛させていただきます。
(1)概況
同校は、千葉県野田市に中学高校を併設している創立39年目を迎えた進学校になります。
最寄り駅は、東武アーバンライン(野田線)川間駅。ごみごみしていない街並と住宅街を抜けて行くと、学校施設が見えてきます。例年久喜幸手地区からも出願する生徒が多く人気の学舎です。実際他県私立と考えた場合、「距離」「時間」ともに、埼玉県内私立とさほど大きな差もなく通学できるメリットも、選ばれている大きな理由の1つなのかもしれません。ちなみに川間駅は、南桜井の次なります。南桜井は、県立庄和高校の生徒さんが利用しています。そのようなことからも、ほぼ埼玉県のようなものです。
現在、高等部在校生数は1,015名。 うち埼玉県出身者168名、茨城県出身者46名とのことです。
通学バス
(2)コースの紹介
同校の設置コースは、普通科2コースになります。
・特別選抜コース 定員100名
・進学コース(スポーツ推薦制度を含む) 定員176名
どちらのコースも生徒ひとりひとりの個性を伸ばし、勉強だけでなく、良識をもって社会に出て行けるよう人間教育にも力を入れています。 また同校のクラス分けですが、進度の速い一貫生と高入生とが混ざらないクラス編成になっています。それぞれに適した指導内容や進度の確保がなされているので、安心して勉強を進めることができるようです。
特に、特選コースでは、週2回校内予備校を実施。代々木ゼミナールから講師を招集。進学に力を入れています。ほかにもスポット指導アプリmanaboの活用等で、効率よく質の高い学習が各自で実践できるようになっているようです。
(3)気になる公立併願校
最近では、春日部、越谷方面、柏方面からと多方面からの受験者が増えてきているようです。 特待生制度も充実しているのも魅力的なところかもしれません。 参考までに、主な公立併願先で多い順に記載すると次のようになります。傾向としては、特選は県立上位校、進学は安全校との併願が多かったそうです。
〔特選コース〕
◯千葉県は割愛
◯埼玉県
・春日部
・越谷北
・不動岡
・越ヶ谷
・春日部女子
〔進学コース〕
◯千葉県は割愛
◯埼玉県
・越谷南
・春日部東
・越谷西
・杉戸
・草加
(4)穏やかな校風〜人を育てる校風〜
校風は穏やかで、とてもおち着いた環境と雰囲気の学校です。正直なところ派手さは無く地味なイメージの学校ですが、それだけに勉強に、そして部活動にのびのびと頑張っていける最高の環境ではないかと感じます。在校生のみなさんと廊下ですれ違ったりすると、しっかりと明るくあいさつしてくれ、皆いい顔をしています。勉強は当たり前ですが、この学校では“人を育てているな”と瞬間感じる時があります。今後の同校の躍進に期待したいと思います。
(5)独自のキャリア教育の実践
次に同校自慢のキャリア教育。在校生の将来の職業観で、医療や教育に携わる仕事に就きたいという生徒が非常に多いとのこと。それに応えてあげようと、同校では以前よりキャリア教育にも力を入れていれています。これは日常の学習指導との両輪であり、二本柱になります。
※余談ですが、以前伺った説明の中で、同校の保護者様のご職業で、医療関係者、教育関係者が多いと伺ったことがあります。少なからず、そのようなことも関係しているのではないかと推測しています。
1.メディカルプロジェクト
これは将来の医療従事者を育成するものです。具体的には野田市医師会や複数の地域医療機関と連携して現場の声を聴きながら地域病院(キッコーマン病院)でインターンシップを行い、医療の基礎知識を学ぶプロジェクトです。また受験に関しては、東京医療保健大学協力のもとしっかりとサポート体制ができています。
2.教員養成プロジェクト〜教員目指すならココ!〜
同校には教職関係者のご子息が多く入学しているようで、将来教職を目指す生徒が割合多いようです。そのため実際に教職に就いている卒業生を招いて「教員養成プロジェクト」の開催や教職を目指す(同校卒業の)大学生への「教員採用試験対策講座」など、きめ細かい指導を行なっています。
また同校は千葉県から指定を受け、高校課程で教員養成プロジェクトを修了した者が、将来的に千葉県の公立教員になる場合、採用試験で加点される優遇を受けることができるとのこと。(凄い!)
医療分野や教育分野に興味、関心のある方は、同校を是非選択肢のテーブルにのせる価値があるかもしれません。
3.ICT未来創造プロジェクト
時代ともに、社会において求められる能力も変化していきます。2025年度入試から共通テストに「情報」が加わるように、情報社会のニーズに合う情報活用能力の高い人材育成が必要と認識。様々な体験活動を通して、生徒たちの進路や夢の実現をサポートします。
4.SSK教養講座
最近では気象予報士になりたいと思う生徒が増えてきているようです。そのため同校では気象予報士講座も開講しています。(凄いですね)
〔現在実施講座〕
・気象予報士養成講座〜在校生から合格者が誕生したようです^_^
・中国語講座
・手話講座
・入門野田学講座
・歴史講座
・自然保護講座
※SSK・・・西武台千葉進学研究会
(6)部活動
部活動も頑張っているようです。 バドミントン部、陸上部、ダンスドリル部の強さには定評があります。ほかにも様々な部がしっかりと実績を挙げているようです。現在、運動部18、文化部12あります。多くの生徒さんが汗を流し活躍しています。
強豪ダンスドリル部
(7)大学合格実績・進路について
今春もしっかり合格実績を積み重ねることができたとのことです。(正直伸びしろ、まだまだあると感じました!) その実績を出すために、同校では様々な取組みに挑戦しています。今回はスペースの関係で割愛させていただきますが、どれも同校ならではのものですので、もしよろしければ同校のホームページなどでご確認ください。
今春の進路実績です。36期生卒業280名。
大学進学205名、短大進学5名、専門学校43名(看護系多数)、就職9名、浪人18人。
【国公立大学】 8名
東京工業大、筑波大、埼玉大、埼玉県立大など。
【早慶上理】 20名
【GMARCH】 28名
【日東駒専】 57名
など。
同校の大学合格者の進学形態をみると、指定校推薦28.7%、公募制推薦7.9%、総合型選抜27.8%、スポーツ推薦3.7%、そして一般受験は31.9%とのこと。
最近では様々な入試形態があるため、指定校推薦をはじめとする一般以外の受験形態で挑戦している生徒が多いようです。 そのようなことから、これから高校生になる現中学3年生のみなさんは、高校に入学したらそれで終わりではなく、入学してからが本当の勝負になってくる訳です。大学進学を真剣に考えているのであれば、高校入学時からしっかりと学校の定期試験で得点を挙げ、評定をしっかりと積み重ねていかなければ指定校推薦を受けることができなくなるからです。厳しい言い方をするかもしれませんが、大学進学を真剣に考えている方は、高校に入学してからが本当の勝負だと言うことを忘れてはいけません。
充実した進路指導室
(8)2025年度入試について
※※※※※この部分の内容については、当教室在籍の保護者様にはメールでお伝えさせていただきます※※※※※
(9)今後の学校説明会・相談会のご案内
すべて予約制です。詳しくは同校のホームページをご覧ください。
◎夏休みオープンスクール
8月25日(日)
◎学校見学会
7月24日(水)
7月31日(水)
8月7日(水)
◎輝陽祭〈文化祭〉
9月7日(土)
9月8日(日)
※個別相談コーナーあり。
◎学校説明会
10月5日(土)
10月19日(土)
11月2日(土)
11月17日(土)
◎入試相談会
10月5日(土)
10月19日(土)
11月2日(土)
11月17日(日)
12月24日(火)
(10)千葉県の恩恵を授かれます!!!
千葉県に住民票のない方が、千葉県私立高校に入学する場合でも、千葉県から助成金の対象になります。本来は住民票のある県の私学に進む時にだけ、その県から助成金の対象になりますが、千葉県は幅広く対象の間口を広げてくれています。また同校が用意している助成制度もありますので、良心的な学校と言えるでしょう。(所得制限などの条件がありますので、詳しくはここに問い合わせが必要です。)
(11)最後に・・・。
私立高校はどこも進学に力を入れており、伸び盛りの学校がたくさんあります。学校の個性も様々です。
「近いから」だけではなく『通える通えない』(通学条件)、『入れる入れない』(学力条件)、そして一番大切な条件!『合う合わない』(適合条件)の三つが揃う学校を選ぶことが重要です。
同校も含めこれからいろいろな学校を実際に見て、納得のいく学校選びをしていただきたいと思います。
同校のみならず、年々学力レベルが上昇傾向の県内・隣接私立高校。言葉は悪いですが、いまや私立は“すべり止め”という感覚ではありません。しっかりと目的をもって学習する生徒にとっては、むしろ“本命”となりうる私立高校はたくさんあります。
“公立が一番、私立が二番”という考え方は、大人の事情が絡むからこその順番であって、本来はどちらも一番、二番ということはないと思います。本当の一番、二番というものは、同じ三年間を送る中で一つでも二つでも多くの選択肢を与えてくれる可能性のある学校が、その生徒にとって“一番”であり、それが公立なのか私立なのかは別問題なのです。
将来大学進学を視野に入れている生徒にとっては、高校入試は目先三年間の問題ではなく、実は七年間の大切な問題になってきます。それだけに高校入試は、公立、私立関係なく、公平な視点で学校選びをされることが大切かと思います。目先に目がくらまないことが重要ではないでしょうか。
当教室に在籍されている方で、同校に関する詳細についてお知りになりたい方は、いつでも教室までお気軽にお問い合わせください。お待ちしております。 教室長