[2016年5月27日]
教育関連ニュース
・「脱ゆとり」教育継続確認
馳文部科学大臣は5月10日、2020年度から始まる小中高等学校などの新学習指導要領で、学ぶ知識の量を減らさないことを確認する文書を発表し、「ゆとり教育との決別を明確にしておきたい」と話した。
ゆとり教育をめぐっては1988年の指導要領改訂への批判を受け、2008年の改訂で「脱ゆとり」を掲げ、知識量を増やした。今回の改訂について「知識量を削減せず、学習過程の質的改善を行う」と説明している。また、討論や発表などを通じて主体的に学ぶ
『アクティブ・ラーニング』を導入することを決めている。
・次期学習指導要領、全面実施は小学校平成32年、中学校平成33年度を予定
高校については、平成34年度から年次進行により実施予定。
・公共・歴史総合・地理総合必修へ「現代社会」廃止
2022年度に高校で導入される地理歴史・公民の新科目について、18日概要の案を公表。公民では、主権者教育を含む「公共」、地理歴史は「歴史総合」と「地理総合」を必修とする。
◆「公共」
? 公共の扉
「民主主義」「自由と責任」などの基本原理や環境保護、生命倫理について
? 自立した主体として国家・社会に参画し、他者と協働するために模擬投票や討論を通じ「政治参加」「金融の働き」「司法参加」などについて考える。
? 持続可能な社会づくりの主体となるために社会保障や文化・宗教の多様性や社会の課題を考察するの3項目で構成。
◆「歴史総合」…主に近現代の日本と世界を扱う。
? 歴史の扉
近世の日本やアジア
? 近代化と私たち
18世紀後半からの産業社会と国民国家
? 大衆化と私たち
19世紀後半からの大衆社会の形成や国際紛争
? グローバル化と私たち
20世紀後半からの多極化と地域総合など
◆「地理総合」
地図の活用や世界の生活・文化、自然環境と災害対応などを学ぶ。
◆選択科目…必修科目を踏まえて考察を深める内容。
「日本史探究」「世界史探究」は全時代が対象
・小学校で学ぶ漢字に熊本県の「熊」岡山県の「岡」など都道府県名に使われている20字を新たに加える案を示した。
平成22年度常用漢字の見直しで、都道府県名に使われる11字が加わり、47都道府県すべての漢字がそろったほか、社会科では都道府県の名称と位置を学習することから国語でも定着を図る必要性があるとしている。
<追加案の20字>
茨 媛 岡 潟 岐 熊 香 佐 埼 崎 滋 鹿 縄 井 沖 栃 奈 梨 阪 阜
・中3英語新テストは『学力調査』の一環
小学6年と中学3年生に毎年4月に実施している「全国学力調査」で、今後の改善策の案を公表。
2019年度に始めると発表した中3の英語の新テストについて、学力調査の一環として実施することを提案。4技能「読む・書く・聞く・話す」を測る。回答は、マークシートと記述式で、「話す」のみ学力調査と別の日に教員が面接で実施。頻度は3年に1回程度。
・小学校プログラミング教育必修化2020 年度から
小学校でのプログラミング教育が2020年度から必修化される見通しとなり、どんな内容を教えるかなどを検討する文部科学省の有識者会議が5月半ばに始まりました。
論理的思考や問題解決能力を育てるのに効果的とされ、「集中力」や「創造力」を伸ばすことにつながっていると感じるとされているプログラミング教育ですが、指導者の育成やカリキュラム作りなど導入にはまだ課題がありそうです。