[2017年10月2日]
勉強法
みなさんは、勉強をしているときに「一生懸命やってるのに覚えられない……」「ちゃんとノートとってるのに成果があがらない……」といった経験はありませんか?
今日はそれを解決できるかもしれない「メタ認知」という概念についてお話しします。
これを正しく使うと、学習するときに努力を成果に結び付けられる可能性がぐっと上がります。
もちろん、学校の勉強だけでなく仕事でも他のスキルアップでも有効。
メタ認知力とは、「認知についての認知力」ということ。たとえて言うなら、頭の中にもう一人の自分がいて、自分のことを監視し、コントロールする力が、メタ認知力である。
勉強でいうと、「自分が勉強するときに、それをまるで別人のように監督する思考」のことです。
「認知についての認知」だから、「より高い次元の」という意味の「メタ(meta)」が頭についているのです。
例えば、あなたが文章を読んでいるとしましょう。
そのときに、「ここはわかりやすいな」とか、「ここは難しいから読み直そう」とか(無意識にでも)考えて読みますよね。
これがメタ認知です。
別のシチュエーションで、例えば数学の問題を考えているとします。
ちょっと手が止まったとき、「いままでの情報を整理してみよう」「図にしてみよう」「解法を変えてみよう」などと考える、これもメタ認知の活動です。
このような思考は、多かれ少なかれ誰でもやっているはずです。
しかし、このメタ認知、意外とうまく使いこなせていない人もよくいます。
例えば、「とにかく繰り返し書くことで英単語は覚えられる!」と思って、ひたすらノートに書きなぐっていくけれど、英単語テストをしてみると点数が悪い人。この人はメタ認知をうまく働かせられていない可能性が高いです。
ノートに書く方法は一般的には有効ですが、この人には合っていないわけですね。
しかし、メタ認知によって軌道修正ができずに、ノートに書く方法をやめられず、あまつさえ「成績が悪いのは書く量が少ないからだ、もっとたくさん書こう!」という思考になってしまいます。
他にも、ノートはすごくきれいに、見やすく取っているのに、成績はあまりよくない人。あなたも見たことがあるのではないでしょうか。
この人も、どうやってノートをとれば自分にとって有効か、どうやって授業を聞けば理解できるかが深く考えられていないから、成績が伸びないという可能性があります。
「東大生のノートは美しい」とよくいいますが、美しいノートをとれば身につくわけでもないわけですね。
では、どうすればメタ認知をうまく活用できるでしょうか? ここが今日のポイントです。
まずは、自分がとれる戦略を増やすことが有効打となるでしょう。
例えば評論など論理的な文章を読むときは、「全体像をつかむ」「『しかし』『よって』など文同士の繋がりを示す言葉に気をつける」「難しいところはゆっくり読む」「何度も繰り返し登場するキーワードに注意しておく」などの方法があります。
何か問題があって、それを解決しようとするときには「いままでわかったことを整理してみる」「自分が知っている情報を思い出してリストアップしてみる」「図、グラフなど適切に視覚化する」といった戦略があります。
このように、それぞれのシチュエーションに応じてとれる戦略は多種多様。もちろんとれる戦略は多いほど場面に合わせて有効な行動ができます。戦略を増やすためには、自分がとれる戦略をメモして可視化してみたり、他人のやり方を盗んでみたりするなどの方法があります。
それぞれの戦略がどういうときに有効かも認識しておけば、強い武器になってくれます。
そして、メタ認知を強化するように常に意識することも重要です。
例えば、勉強したあとの振り返り。
このとき、ただの感想だけではなく、「ここはできた」「ここはできなかった」と明確にすることで、次回の戦略がたてやすくなります。
「この学習方法はうまくいってない」と思ったら、新たな方法を探し始められるでしょう。
メタ認知はなぜ必要なのか
メタ認知能力が高いと、
?ミスをするかどうかをあらかじめ予測できる
?ミスに気づくことができる
?ミスしないように自分をコントロールすることができる