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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2018年5月31日]

無題

好きな映画監督の一人に、カナダ人のヴィンチェンゾ・ナタリという監督がいます。
CUBEやカンパニーマンが有名です。
CUBEは、立方体が数多く敷き詰められた部屋から脱出するという映画です。数学の知識や人間模様が沢山散りばめられた映画です。
短編映画にELEVETEDという映画があります。
中年女性と熟年男性がエレベーターに乗っています。見ず知らずの二人です。上に上がっていくエレベーター。何気ない、よくある光景です。
ある階で、エレベーターは停まり、扉が開きます。
目の前には、血まみれの若い男性が立っています。若い男性は、言います。「これは自分の血ではない。今、エイリアンみたいな怪物が暴れまわっていて、みんな倒れていっている。助けて欲しい、エレベーターに乗せてくれ」と言います。エレベーターの中の二人は、エイリアンみたいな怪物はいないというのが常識。エレベーターの外の人は、エイリアンみたいな怪物に襲われているのが常識。2つの相反する常識がぶつかります。
エレベーターの中にいた熟年男性が様子を見に外に出ます。数分後、帰ってきますが、血まみれで、エレベーターの目の前で力つきます。それを見て、エレベーターの中にも、今までは非常識だったものが、常識に変わります。すると、大勢の血まみれ人達が、エレベーターに押し寄せてきます。最後は、外側の常識で満たされたエレベーターの中で、狂気に満ちた中年女性の顔のアップで終わります。この映画には、怪物の姿は、出てきません。怪物がいるかどうかも分かりません。
この物語は、今までの常識と、誰もが信じられない常識がせめぎあっている物語だと思います。
CUBEも、脱出したいが、一度入るとなかなか脱出できない。ELEVETEDも、非常識だと思って近づかずにいたが、一度常識になると何も疑わずに信じてしまう。
カンパニーマンも、誰を信じていいのか分からなくなる物語です。
この3つは何かに似ていますね。私たちの身近にある何かに似ています。
同じ監督の映画、ハウンターでもみましょう。これは、毎日、来る日も来る日も、全く同じことが繰り返される映画です。これも、何かに似ていますね。