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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2021年10月4日]

旅は憂し 窓で月見る〜

牛窓の地名の由来

 誰もが、「牛に窓?」と首をかしげたくなるような地名ですが、由来はなかなかなものです。瀬戸内のエーゲ海というネーミングからは、さすがに程遠いですが、牛窓の地名の由来をご紹介したいと思います。
 
 日本武尊の第二子である仲哀天皇の妻・神功皇后が牛窓沖を船で航行していた際に、突然現れた牛鬼がその船を奪おうとしました。
 そこに住吉明神が老翁の姿となって現れ、その牛鬼の角を掴む と投げ倒したと言われています。そこから、 牛が転ぶ→牛転(ウシマロ ビ)→ウシマド→牛窓…と、変わり現在の地名になったといわれています。
 
 漢字が転じたの事については連歌師・宗祇のエピソードが 伝えられています。かつて旅をしていた宗祇は瀬戸内市の寺院へ名を隠して宿泊しました。その寺では発句会が催されており、宗祇も名を伏せたまま参加し、『旅は憂し 窓で月見る 今宵かな』という和歌を詠みました。 この和歌に感動した人々が牛転と書いていた漢字を、牛窓に変更するように天庵するに至ったそうです。
 なかなかウイットに富んだ由来ですね。ではまた。