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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2022年4月16日]

少年よ

みなさん、こんにちは。
ウィリアム・スミス・クラーク博士は、マサチューセッツ農科大学の学長でした。政府の意向により、1876年9月に開校した札幌農学校の初代教頭に就任します。
その後わずか8か月間日本に滞在し、1877年の今日、札幌農学校を後にしました。札幌農学校は現在の北海道大学になっています。
その際、あの名言"Boys, be ambitious(青年よ、大志を抱け)"を学生になげかけています。

札幌農学校の1期の卒業生はわずか13人でした。
旧幕府軍と新政府軍が戦った戊辰戦争に多くの若者が巻き込まれた当時の日本の状況も念頭におき、博士は学生たちに対して強い情熱を注ぎ、酪農や農業の魅力を伝える指導にあたったといわれています。
当時の厳しい身分制社会で、農学校に通っていた者の身分は士族の次男、三男で家督を継げないものばかりでした。
クラーク博士は学生たちに広い心で接し、親身になって勉学を教えました。

生徒たちにとって、博士はまさに父のような存在だったはずです。
今では国公立大学の中でも高いレベルに位置する北海道大学は、特に獣医学部が難関とされています。
広大な土地と自然に恵まれた北海道、そしてクラーク博士の熱意によって北海道の農学は飛躍的に発展しました。
博士の功績はもちろん素晴らしいですが、何より、身分による差別も起こり得る当時、学生たちを厳しくあたたかく見守った博士の人間性に感動しました。
今の時代で差別が問題になるのは当たり前とはいえ、人はいつでも心のどこかで優劣をつける生き物です。北海道よりも広い心をもった、熱意ある博士のような人物は讃えられて当然ですね。
学生たちにいつまでも語り継がれてほしいと思います。