[2023年2月22日]
みなさん、こんにちは。
みなさんは、"シュレディンガーの猫"をご存じでしょうか。
シュレディンガーの猫とは、1930年代にオーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが行った思考実験です。本当の話の内容は結構残酷なので、少し変えて話します。
外から中の様子が見えない箱を用意し、その中に猫を一匹いれます。食料と水を十分与え、何日間かたって箱のふたをあけますが、ふたを開けるその瞬間まで箱の中の猫がどのような状態かは分かりません。シュレディンガーは、箱を開けて結果を確認する直前まで、猫が"生きている"状態と"死んでしまっている"状態が重なっている、と言います。
この実験の本来の内容は残酷だと言いましたが、あくまで"思考実験"だと思ってください。
この思考実験において、物理の量子力学の分野でも"観測するまで物事の状態は確定しない"と考えられるようになりました。
物質には様々な性質をもつものがあり、その中に"粒子""波"という性質があります。例えば、原子を作っている陽子、中性子などは"粒子"、"音"は"波"です。
実は、その中でも"電子"は、"粒子"だとしても"波"だとしても、どちらでも説明できてしまうという不思議なことが起こります。
すごく簡単に言うと、"原子でできた物質"はさわれますが、"音"をさわることはできませんね。
この二つの相反する性質を持ち合わせたのが"電子"なのです。
私たちはまだ箱の中身をみておらず、猫が"生きている"状態と"死んでいる"状態が重なっている、というとても不思議な状態を体感しています。
実験は実験として、本日は"猫の日"ですね。私は猫が好きなので、みかけたら愛でてあげたいものです。