[2023年5月10日]
みなさん、こんにちは。
昨日、文字の話をしていく上で
日本には、あえてはっきりさせないことで
争いを生まないという考え方があるというお話をしました。
これは、ある事柄について
賛成する人、反対する人、それ以外の人、みんなに配慮して
あえてはっきりさせず、争わないこと(和)を
大事にしましょうという、日本古来からある考え方です。
その気質を、まさしく国名からも感じることができます。
みなさんは"日本"という字を何と読みますか?
にっぽん、にほん、どちらも聞いたことがありますね。
正式名称が複数ある国は世界でも類を見ないということ、
また、外国の方が混乱するのではということもあり、
今までも、何度か「どちらかに統一するべきでは?」という
議論を生みましたが、結局決着はつきませんでした。
そうこうしているうちに、両方の名前が世界中に浸透していき、
2009年に、当時の総理大臣が
「統一する必要がないと考えている」と答弁するに至りました。
結局今もそのまま、日本は"にっぽん"でもあり、"にほん"でもあるのです。
これは、はっきりしないとも言えますが柔軟性があるとも言えます。
さらには、すでにどちらかの発音が名前に含まれている会社・組織や
地名(看板)などが多数あり、統一するとなったら訂正しなければ
いけない人たちが大変、という配慮もあったことでしょう。
もちろん、時と場合によりますが、あえてはっきりさせない
という考え方は、これからの時代に生じる問題を
うまく解決してくれる考え方なのかもしれません。