[2023年11月7日]
みなさん、こんにちは。
昨日のお話の続きです。1度よくなったことが、元の状態に戻る
ことを"元の木阿弥"と言います。この木阿弥は何かを成し遂げた
偉人とは少しちがいます。生まれについてはよく分かって
いませんが、今で言う一般市民であったとも、僧侶であったとも
言われています。
そんな木阿弥に転機が訪れたのは戦国武将"筒井順昭"の
死です。後に跡を継ぐ"順慶"はまだ幼く、風貌や特に声が
似ていた木阿弥が影武者として順昭に成り代わります。
戦に影武者が参加していたというのはよく聞く話ですが、この
ようなケースはレアでしょうね。木阿弥が、それまでの生活を
辛いと感じていたかは知りませんが、このときから木阿弥は
将軍として扱われ、何不自由のない暮らしをしたと言われて
います。
とは言え、跡継ぎの順慶が成長すると木阿弥はお役御免。また
元の暮らしに戻ってしまいました。武将に似ていたこと、さらに
いろんな偶然が重なって将軍として生きることになった木阿弥。
歴史の授業ではまず出てきませんが、言葉として残ることに
なりました。