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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2009年10月10日]

今月のコラム 意識を変えて、今を輝かせよう

平凡なチームが全国制覇を目指す
 ある高校サッカー部の話です。そのチームはごく平凡なチームで、県の強豪でも、ましてや全国レベルのチームでもありませんでした。そこへ一人の監督がやって来ました…。1年後、彼らは全国制覇を目標に掲げ大会に挑みます。そして県で優勝して全国大会に駒を進めました。結局、1回戦を勝ち抜きましたが、2回戦で1対2で負けて、彼らの大会は終わりました。
 これは、私がたまたまテレビで見たドキュメンタリー番組で、細かいところは記憶違いがあるかもしれません。ただ、この番組に見入ってしまったのは、選手(高校生)達の表情でした。
ちょっと考えてみてください。部活でもテストでも何でもいいのですが、もし自分だったら、「全国で1位になる」と言えるだろうか、言ったとしたらそのときどんな表情をしているだろうか、と。普通だったら言えないし、言ったとしても冗談めかした言い方になるのではないでしょうか。自分に対して嘘はつけません。大会前やテスト前などは不安の方が圧倒的に大きく、自信を持てるというのはすごいことだと思うのです。
この高校生達は、全国に流れるテレビカメラの前で、堂々と「全国制覇」を口にしていました。真っ直ぐな表情で、目をキラキラさせて…。1年前まで地方レベルだったこの人達にいったい何があったのだろう、この1年間どんな時を過ごしてきたのだろう、そこに思いが至ります。
★『オン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチ
 残念ながらその様子は番組で見ることはできませんでした(おそらく、1年前までは無名のチームであり、追跡取材されていなかったのだと思います)。ただ、監督が常々選手達に話しているという言葉から想像できます。それは『オン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチ』という言葉です。ピッチとは、サッカーの試合や練習をする場所のことだそうで、つまりオン・ザ・ピッチとは試合中・練習中のこと、オフ・ザ・ピッチとはサッカーを離れている時を意味するようです。そしてこの監督は、オン・ザ・ピッチでも、オフ・ザ・ピッチでも、常に自分を鍛え上げるということを、日頃から選手達に話しかけ実践されるのだそうです。強豪チームは毎日5〜6時間練習しているのかもしれない、それに対して自分達のピッチ上での練習は2〜3時間かもしれない、でもピッチを離れても自分達は自分を鍛え上げている、いわば24時間練習している、授業中は集中して勉強し、掃除中も一生懸命に取り組み…そんな意識で365日を過ごしたら、おのずと自信も生まれてくるでしょうし、彼らの自信にあふれた表情も十分納得できます。
 最終的な目標には届きませんでしたが、彼らは日本中の高校生の中で、最も充実した時間を過ごし、最も自分を飛躍させた、とても幸せな人達だと感じます。そしてこの1年間は、その後の人生に活かされていくとともに、その人の人生にとって宝物のような時代になるのだと思います。
感じる「意識の低さ
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 私は今年の3月から、算数・数学を中心に指導させてもらっています。主に中学生への取り組みとして、1学期には自己評価表を実施しました。学力・習慣の両方を身につけるために毎日10分学習し、塾や学校の授業と合わせてその自己評価を付けてもらうことを求めましたが、それができた生徒は皆無でした。また夏期講習では問題を解いてから来る(prepare;準備する)よう求め、それを前提に教材を選び、時間割を作成し、コース分けも行いました。しかし多くの生徒が、家で解くことをせず、塾に来てから初めて問題を解くという状況でした。
 感じるのは「意識の低さ」です。すべきこと・できることをせず、力を発揮できないでいる人がほとんどであるように思えるのです。あなたにはもっと力や可能性があるのに…人生の中でも貴重なこの時間をもっと素晴らしいものにできるのに…もったいない、そう思います。
ある塾生の取り組み
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 そんな中、今回の夏期講習でこんな塾生がいました。その人は、毎回準備をして(問題を解いて)来ました。授業でその直しを終えた後、1つ上の課題に取り組みます。それを解き、答え合わせをし、直しに入ります。ここまでは、取り組んだ者もある程度いましたが、そのほとんどは時間がきた時点で終わっていました。この塾生の素晴らしさは、2度目・3度目の直しに取り組んだことです。家でさらなる直しをして、わからない問題については質問して、全問理解できるまでやり遂げようとしていました。勉強は自分のためにするということ、宿題は先生に見せるためにやるものではないこと、自分が理解し身につけることが大切なのだということ、わからなければ質問するなど自分から行動を起こす必要があるということ…そうした勉強の本質、さらには人生において大切なものを、この塾生の取り組みに感じました。結果、成績は上昇しました。他人との比較でも上位であり、本人の以前との比較でも伸びていました。ただ本人は「もっと(良い結果が)欲しかった」と言っており不満足そうでしたが、そう言うだけの資格がこの人にはあると思います。悔しい・もっと良い結果が欲しいと言うには、それに見合うだけの努力が必要なのだと思います。
まず「オン」を一生懸命に
 オンもオフも合わせて24時間自分を鍛える意識を持てたらすごいですが、とても難しいことです。それ以前にまず、やるべきとき(オン)に、やるべきことを、やっているか、考え直してみたいものです。勉強に関していえば、塾の授業中・家の学習時間・学校の授業中を、本当に集中し、意欲的に取り組み、活かし切れているか。それを見直し、実行するよう心がけることからです。例えば、学校で50分×6校時=5時間ですから、塾と家で3時間とすれば、合計で8時間となり、24時間の3分の1となります。1日の3分の1を「オン」の時間として、勉強に一生懸命取り組むことで、自分を育て上げるという発想です。
 なかなか変えられないのが意識ですが、まず変えることができるのも意識です。意識を変え、高めることで、自分が大きく飛躍します。みなさんは今出ている結果より数段上の力を持っています。今を一生懸命過ごして、大切な自分・大切な時間を輝かせてほしいと、切に願います。