[2012年6月17日]
どんなキャリアプロセスを教育は提供できるかが、問題だ!
高校に早期卒業制度導入へ 飛び入学に配慮、文科省方針
(2012年6月2日 朝日新聞)
○文部科学省は1日、高校を2年〜2年半程度で卒業できる「早期卒業制度」を導入する方針を固めた。
成績が一定以上の生徒を対象とし、大学進学を前提とする。
優秀な高校生が早く大学に進める環境を整え、国際社会で活躍できる人材の育成を促す狙いがある。
○導入のため、高校の修業年限を「3年」と定めた学校教育法の改正をめざす。
これにより、例えば高校を2年で卒業して大学に「飛び入学」したり、2年半で卒業して秋入学が主流の海外の大学に進学したりすることが可能になる。
また、東京大など国内の大学でも秋入学への移行が検討されているが、デメリットとして挙げられている春卒業と秋入学の半年間のずれの解消にもつながる。
○「飛び入学」は、1997年の学校教育法施行規則改正で認められ、98年度に千葉大が初めて導入。
名城大、昭和女子大、成城大、エリザベト音楽大、会津大が続き、現在は6大学が受け入れているが、文科省によると、今年度までに飛び入学したのは計101人にとどまる。
現行制度では、飛び入学者は「高校中退」扱いで、大学を中退すると最終学歴が「中学卒業」になることが、敬遠される要因と指摘されている。
文科省は、高校在学が3年に満たなくても「高校卒業」と認めることで、飛び入学の希望者や受け入れる大学が増えると見通す。
私のコメント
◇この記事の中に「優秀な高校生が早く大学に進める環境を整え、国際社会で活躍できる人材の育成を促す狙いがある」とありますが、なぜ、優秀な高校生が早く大学に進めると、国際社会で活躍できる可能性が大きくなるのでしょうか。
このつながりがあまりよくわかりません。
◇勉強だけが優秀だからといって、それだけで国際社会の荒波を上手く渡っていけるかどうか、またその中でリーダーシップを発揮できるかどうかなど全くわかりません。
また、早期に大学生になって勝手のわからない環境におかれるのと、同年代の人間同士が切磋琢磨しながら、青年期の良い思い出を作るのと、どっちがその後の人生にとって、力になるのかは、全くわかりません。
◇飛び級制度を作ることには反対しませんが、優秀な子どもたちの大半が、飛び級を利用して、早く大学に入ろうが入らなかろうが、そんなことは、国家の命運をかけることではありません。
◇もっと、勉強以外の人間同士の経験知をどう考え、その経験知を踏まえたキャリアプロセスを教育がどう作るか、その方向を考えた方が良いように私は思います。
どんな社会でも活躍できる人材を養成していくのが、教育の使命ではないでしょうか。