パソコン版を見る

加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2012年7月15日]

警察が調査することの意義は大きい!

警察が調査することの意義は大きい!

「泣きながら担任に電話」複数生徒が回答 大津中2自殺
(2012年7月9日 朝日新聞)


○大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13)が自殺した問題をめぐり、学校が全校生徒に実施したアンケート結果に「担任には(自殺した生徒から)泣きながら電話が来ていた」という内容の記名回答があることがわかった。市教委と学校は昨年11月、アンケート回答のうち、「生徒が直接確認した内容」で事実確認ができたものについて公表したが、市教委はこの内容は明らかにしていない。


○市教委は9日、取材に対し、この回答があったことを認めたうえで、「担任が生徒から電話を受けていたのは事実。学校が担任に確認したところ、いじめについての相談ではなかったと言っており、回答した生徒には内容を確認していない」と説明。市教委は電話の時期は不明とし、内容は「プライバシーにかかわる」と明らかにしていない。


○アンケートは自殺6日後の昨年10月17日から3日間、全校生徒約860人を対象にあった。3項目あり、生徒について「知っていることはありますか」との質問には約330人から有効回答があり、殴る蹴る、手足を縛る、ハチを食べさせるなど、いじめをうかがわせる回答があった。


大津の中2自殺、県警に捜査チーム 生徒や教諭ら聴取へ
(2012年7月11日 朝日新聞)


○大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が自宅マンションから飛び降り自殺をした問題をめぐり、滋賀県警は11日、生徒に対するいじめの犯罪性や自殺との因果関係を調べる専従捜査チームを立ち上げた。


○大津署は自殺後、捜査を継続しているが、態勢を強化する。この日から、いじめに関わったとされる生徒のほか、生徒が通っていた中学校の在校生約800人と卒業生の一部、全教職員、市教委の関係者らを対象に事情を聴く方針。


○県警によると、チームは少年課や大津署の捜査員ら25人で構成。学校などが実施した全校生徒へのアンケート結果などの提供を受け、いじめについて記入した生徒を中心に事情聴取する。アンケートの記述にあった「自殺の練習」「葬式ごっこ」といった伝聞情報も含めて自殺との関連を調べ、強要や暴力行為等処罰法違反などの容疑での立件の可否を慎重に捜査するという。


私のコメント


◇今回の痛ましい事件に対して、いろいろと思うところがありますが、学校側、教育委員会のお粗末な対応に、怒りを覚えます。


◇こんな認識の大人が子どもたちをどう教育していくのでしょうか。自分たちの失敗を隠蔽して、子どもたちに何が見本として教えられるのでしょうか。あまりに正義とかけ離れた対応に、待ったなしの社会的な対応が求められます。


◇子どものたちの人権侵害を簡単に見逃し、自分たちの指導力のなさや、いじめという事実を隠蔽するその体質は、もう社会的に見過ごしてはいられません。自浄能力のない学校や教育委員会に対して、警察がとうとう調査に入ります。その意味は大きいです。


◇いじめが犯罪だということをしっかり社会的に認識し、広めた方が良いです。
いじめは、子どもの喧嘩ではありません。人権侵害です。


◇そして、いじめが原因で自殺を当事者がしたら、ほとんど殺人に近いのです。
こんなことが、教育的配慮で、いじめのもう一方の当事者に何も社会的指導がはいらないということではいけません。いじめに対して、社会的な対処をしっかりしていくというメッセージとして今回の警察の調査を受け止めるべきです。


◇もう一つは、学校、教育委員会を聖域とするあり方をやめるということです。今回のように事件性の高いものに対して、警察が積極的に調査に入るということを今後も行ってほしいものです。自浄能力のない身内寄りの学校や教育委員会に第三者的な力が働き、外部調査をして白黒をつけてほしいのです。


◇そうなれば、現場での緊張感は、増すことでしょう。そうなれば、いい仕事が教員の中から出てくるはずです。今回の事件を契機にぜひ、いじめ問題を社会問題として議論を深めていきたいものです。