[2012年8月13日]
<過剰>としての文化をもった人間は、自然のプログラムを超えることに成功した。しかし自然を超えるということは、自然に逆らうことであり、これを破壊することと同義なのである。(丸山 圭三郎)
今回、登場いただいたのは、丸山圭三郎です。「ソシュールの思想」や「文化のフェテシズム」は、私に大きな影響を与えた書です。上の名言は、その中の「文化のフェテシズム」から取りました。
◇この名言は、今日の問題を先取りしていないでしょうか。原発=エネルギー問題、環境問題等々、今日の我々が抱えている問題を端的に言い表しています。遅かれ早かれ、私たちの文化・文明は、行き詰まりを見せます。
それは、自然を超え出てしまうからです。自然の中に生きている人間が、自然の中から出ていこうとする時、当然、無理が生じます。それが、今日的な課題です。
◇私たちが、ここで本当に問わなければならないことは、自分の生活を見つめなおし、もう一度自然と折り合いをつけるような状況を求めるのか、それともどんどん自然から突き進んで、究極的な自然破壊まで行ってしまうのか、そのどちらかです。もう、中途半端な選択はできません。そのことを真剣に考えることです。