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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2012年9月2日]

フロムの名言

十九世紀においては神が死んだことが問題だったが、二十世紀では人間が死んだことが問題なのだ。
(フロム)


◇19世紀、ニーチェは、神は死んだと叫んで、古い価値観を崩壊させました。
人間が拠って立つ神という中心的な価値観を否定し、自律=自立的な人間をニーチェは求めました。

しかし、それは、生きることに真摯になる強い人間でした。生への意志をもった人間なんて、そんなにたくさんいるわけがありませんでした。なにせ、今まで神に守られて生きてきた人間ばっかりなのです。


◇だから、20世紀は、神の代わりに文明が人間の拠って立つものになりました。何から何まで文明が人間のために、何とかしてくれるようになりました。
便利さが便利さを呼び込んで、どんどん人間は自分自身を蝕んでいくのです。
自分を鍛えること無しに、大人になっていけるからです。本来の人間の能力がどんどん衰退するようになってしまいました。


◇そして、現代は、とうとう本当の意味で、人間が死んでいく時代になりました。それも文明に殺されていくことがわかるようになりました。原発問題は、その際たるものです。

さあ、21世紀は、何を殺していくのか。神なのか、人間なのか、文明なのか。私たちは、選択を迫られているのです。何を殺して、何を生かすのか。