[2012年9月13日]
人生には終わりもあるが始まりもある、とそう考えるのが、おそらく死の恐怖をしずめるのに一番いい方法だろう。(ウィリアム・ハズリット)
◇人間は、いつかは死んでいきます。死んだ人間が客観的に死を語ることはできませんから、死は、いつも未経験のまま、徐々に自分に迫ってきます。何だか分からない死だからこそ、本質的な恐怖があるのです。
◇その死の恐怖を和らげるためには、死と向き合うしかありません。死が、生の完成としてやってくるのだと思えるほど、生を生きていくことしか、死の恐怖から逃れる道はありません。終わりがあるからこそ、新しい始まりがあるのだと思ってみても、その始まりに自分が参加できないのです。
◇だから、死は逃れようとするものではなく、死を迎えようとする姿勢で、生きていくことです。生の完成としての死を私たちは、生きることです。