[2012年9月16日]
35人学級は良いことだが、その他にやるべきことがあるのではないか!
小中すべて35人学級に 文科省が概算要求
(2012年9月8日 朝日新聞)
○文部科学省は7日、2013年度の概算要求額を発表し、公立小中学校の全学年の「35人以下学級」を17年度までに実現したい考えを示し、初年度分として119億円を計上した。小1、小2は実現済みで、小3以上は、どの学年に先に導入するかを都道府県が選べるようにする。
今後の財政当局との調整で実現するかどうかが決まる。
○国は公立小中学校の教職員給与の3分の1を負担している。文科省は、算定根拠となる来年度の「定数」を5500人増やす考えだ。小3〜中3を35人学級にするには1万9800人の定数増が必要という。
○いじめ問題など個別の教育課題への対応(1600人)、特別支援教育の充実(2900人)なども含め、13〜17年度の5年間で計2万7800人(所要額601億円)の定数増を目指す。年内に計画を策定する。概算要求では初年度分として約5分の1を計上した。
私のコメント
◇40人学級から35人学級になることは良いことかもしれませんが、その前にもっと考えることがあります。それは、教員採用試験の人物重視による選考、教員の研修にもっとお金をかけて、有効な研修を行い、現場教師を徹底的に支援すること、事務作業などの間接な業務に対する支援、教科によるT・T(チームティーチング)やICT(情報通信技術)の活用、などなど。
これらのことをもっと考え、実行の優先順位を考えた方がよいと思います。
◇教員を大量に採用して、35人学級を実施しようとする前に、採用や研修にもっと目を向けるべきです。そうしなければ、どんどん教員の質が劣化してしまって、35人学級を実現しても、現状が好転することにならないばかりか、現状がもっと悪化してしまうかもしれません。
◇生徒・児童の1学級あたりの数で指導が、難しくなるのではありません。それよりは、学級を受け持つ、教員の人間力が、問題になるのです。だからこそ、一律で35人学級にすると決める前に、低学年には35人学級、高学年には、教科によって複数教師(T・T)による指導とか、そういう風に考えてみてもよいように思います。
◇大量な新規教員の採用は、今のシステムでは、非常に危ういように思います。採用と研修を見直しながら、総合的に考えてほしいです。