[2012年9月26日]
プラトンやアリストテレスの議論をすべて読んだとて、示された事物についてしっかりした判断を下しえなければ、われらは決して哲学者とは成らない。(デカルト)
◇色々な知識があったとして、その知識を使って、現実的な判断が下せないようなことだったら、持っている知識に何の価値があるのでしょう。現実に役に立たない知識をいくら持っていたとしても、そんなものは、イミテーションであって、本物ではありません。
たとえば、プラトンやアリストテレスの哲学を知っていようとも、その本物を使いこなせない私たちであれば、その知識は偽物として私たちとともにあるのです。私たち自身が、本物を偽物にしてしまうのです。
◇だから、私たちは、本物を知っているだけではだめで、その本物を使って、現実に働きかけることが必要なのです。現実に対峙するために、本物を知ろうとするのであって、ただ知るためだけに、知ろうとするのではないのです。
◇ということは、何かを実現する目的をもって、私たちは色々な知識を獲得するということです。自分の目の前にある現実をどうするかを考えながら、色々なことを知ろうとすることです。そうして知った知識は、自分にとっての本物になるはずです。