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加藤学習塾
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[2012年9月29日]

私立中学の縁故合格は、どこでもある話なのに!

私立中学の縁故合格は、どこでもある話なのに!


中大の付属中入試で不正 理事長要求で合格、学長が破棄
(2012年9月26日 朝日新聞)


○中央大学横浜山手中学校(横浜市中区)が今年2月の入学試験で、合格ラインを下回った同大理事長の知人の孫を合格させていたことがわかった。
受験生側は口利きを依頼した事実はなく、通常の合格と考えて入学手続きを済ませたところ、この不正な合否判定を知った同大学長の要求で、中学は合格を一方的に取り消した。大学理事会が設けた第三者委員会(委員長・宗像紀夫弁護士)はこの二つの行為について理事長、学長らの責任を認定し、処分を求めている。
 
○関係者によると、昨年11月、同大の久野(ひさの)修慈理事長が知人から「孫が受験する」と聞いた。その後、久野理事長が同中学の田中好一校長に受験生の名前を伝えた。金銭の受け渡しや口利き依頼はなかったという。
 
○同中学の試験日は2月1〜3日に3回あった。第1回の入試の結果は当日中に判定され、この受験生は合格点に達しなかった。不合格を知った久野理事長は、田中校長に「多方面に高額の寄付をしている人の孫だから、頼む」などと言ったという。

私のコメント

◇今回の事件で、一番の被害者は、受験生とその保護者です。気の毒としか言いようがありません。

◇理事長と学長が、普段から対立関係にあるとして、学長が、理事長の足を引っ張るために言い出したのなら、それはそれで、非常に醜い話ですが、私立中学校であれば、今回のような便宜は、通常普通に行われています。


○こういう便宜を受けられる生徒は少数ですから、そういう受験生が、合格になったとしても、その他の受験生は、基本的に不利益を受けないのです。だから、縁故入学は、私立中学校・高校であれば、普段から行われているところなのです。


○その辺の事情を大学の学長が知らなかったのであれば、それはそれで、無知なのです。正義を振りかざして、是正するようなものではないのです。


◇但し、その学校の授業についてこられる学力かどうかは、問われます。今回の件で、中学校側の入試選考委員会が、この生徒の学力を合格としても良いレベルだと認めていたのなら(試験で合格点は取れなかったが、もう少しだった)、この合格は、取り消すべきではありません。


◇しかし、あまりにも低レベルな学力ということになるなら、中学校の入試選考委員会は、身体を張ってもこの生徒に合格を出すべきではないのです。


◇今回の件は、あまりに稚拙するぎる対応が問題なのです。学校の対応は、公立も私立も殆ど変わらないかもしれません。それが大学であろうと高校や中学校であろうと。


◇教育の中にいる人間が、どうしてこのような社会的な影響が出るであろう問題に対して熟慮もなく、浅薄な対応をするのでしょうか。その精神の底流に保身的な根性があるのかもしれないと思うのは、私だけでしょうか。