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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2012年10月1日]

中高一貫校に迫る

中高一貫校に迫る

今県内では、中学受験をする児童が増加しており、中高一貫教育への関心が高まっています。そこで中高一貫教育の特徴やメリット、受験の内容や対策について、就実中学校・就実高等学校の難波校長先生、早川教頭先生に話を伺ってきました。

○なぜ、中高一貫校にこんなに関心が寄せられるのでしょうか。

中高一貫教育なら、子供達が将来のビジョンを描きやすくなります。先行き不透明な今の時代、子供達が将来どんな大学に進学し、どんな仕事に就き、どんな人生を送っていくのかはおおいに気になるところです。できれば早くから子供達に将来のビジョンを描いてほしいものですが、高校受験よりさらに親の判断が重要になる中学受験、まずは親子ともどもきちんと未来に向き合う良い機会になっているようです。
就実中学では、平成21年度から特別進学コースが男女共学になり、より完全な中高一貫型の教育内容を展開しています。大学・短大に加えて、今年からは子ども園も開設され、幼児期から大学まで一貫したプロセスも提供しています。その核となる中高一貫教育の部分では、大学の選択はもちろん、大学卒業後の職業選択まで見据えた将来のビジョンを、子どもたちがしっかり持てるよう教育しているのが大きな特徴です。

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○中高一貫校での学習面でのメリットはどういったものになりますか。

最大の特徴は、6ヵ年を通して体系的に学ぶことができるため、目標に向かって確実にステップアップできることです。また、中高一貫だからこそ高校受験の心配をすることなく、長期的な視点で生徒一人ひとりの能力を量りながら伸び伸び学習できることが挙げられます。
就実中学・高校では、中学1・2年を基礎期、中学3年・高校1年を応用期、高校2・3年を発展期とし、特別進学コースにおいては、中学3年次には高校の学習範囲に入り、高校2年次には高校学習範囲を終える先取り教育すなわち先行学習で、難関大の現役合格を目指します。
学校によっては、理数系に強いとか、国際社会で通用する語学力を磨くなど、学習面に付随した独自の柱を前面に打ち出していることが多いのも特徴です。子どもの適性を見極めながら、個性・能力に見合った学校を選択することも、子どもの可能性を広げることにつながります。

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○学習面以外でもメリットはあるのでしょうか。

生きる力の育成についても、中高一貫校には大
きな特徴があります。例えば、就実中学・高校には、問題発見・解決能力、他者とのコミュニケーション能力、行動力など総合的な人間カを培うための独自の「人間育成プログラム」があり、各コースそれぞれにキャリア教育、異文化体験、社会貢献活動など様々な分野で特色あるカリキュラムを構築し、21世紀をたくましく生き抜く人間力の養成にも力を注いでいます。
勉強はもちろん放課後の部活動や個人の習い事など、勉強も自分のやりたいことにも打ち込みたいという生徒のニーズに応えるため、就実高校では今年度から特別進学チャレンジコースも新設され、進路選択の幅もより広くなりました。
このようにコース・進路選択の余地は各校さまざまありますが、途中でのコース変更については、特に私学では就実中学・高校のように「成績基準はあるが、子どもたち自身の努力と意志によって十分可能」と柔軟な対応を見せており、学習面や生活面をはじめ何事においても6年間ずっと固定した環境ではと心配する必要はありません。

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○最終的に、中高一貫校は子どもたちのビジョンをどのように導いているのですか。

県内の中高一貫校ではすでに高い進学実績を残しているところもあります。就実高校特別進学コースハイグレードクラスでは、今年初めての卒業生を送り出し、国公立大学に37名の現役合格者を出しました。このほか、難関私立大学をはじめ、 就実大学・短大へ推薦制度(全学科入学金免除)を利用して多くの生徒が進学しました。
中高一貫教育のメリットの一つに、子どもたちの年齢が離れていても、目の前に具体的なロールモデルが存在するので、早いうちから将来のビジョンを描きやすいということがあります。就実学園でいえば、中学生の段階から、例えば就実大学薬学部で将来薬剤師を目指して勉強する白衣の先輩を目の当たりにし、自分の将来像も想像しやすくなるようです。中学から入っていれば、必ずいろんなビジョンを示してくれる、そして、自然に子ども自らの成長が期待できる、それが中高一貫校の最大の特徴といえるでしょう。

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○最後に中学受験の内容やその対策について教えてください。

公立の中高一貫校では入学試験ではなく、適性検査、調査書、面接によって総合的に判断し選抜を行っています。ただ、近年この適性検査が従来型の入試に近い内容になってきているという評価もありますので、やはりそれなりの対策が必要になるでしょう。過去の検査内容はホームページにアップされるなど開示されているので、一度目を通してみてはいかがでしょうか。
一方私学では各校独自の入試を実施しています。就実中学校では一次・A日程入試(特別進学コース・ハイグレードクラス)については、県内難関私立中学レベルの問題で、応用力や思考力を問う問題も出題されます。一次・B日程入試および二次入試については基本・標準レベルの問題を中心に出題されます。また、一次ではグループ面接(受験生数人に対し面接官2人、10分程度)、二次では個人面接(受験生1人に対し面接官2人、5分程度)も実施されます。志望の動機や日頃の生活の様子などが質問されるので、普段から落ち着いて受け答える練習をしておくとよいでしょう。
中学受験を目指すとなると、近年では低学年から塾に通う子供さんが増えているようです。受験日が重なるので、早くからどの中学を目指すのか、どのコースに挑戦するのかを考え、難関コースに挑むのであれば、少しでも早く準備にかかる必要があるかもしれません。
しかし、受験はあくまでも目標ではなく、将来どんな自分になりたいかそのビジョンを描くプロセスです。受験を一つのきっかけとして未来を親子で語り合い、夢を持って目標を定め、それに向かって着実に準備を整える−これが理想ではないでしょうか。