[2012年10月7日]
こんな条例が必要なのか!
いじめ防止条例成立 市や市民の責務盛る 岐阜・可児市
(2012年10月2日 朝日新聞)
○小中学校でのいじめを防止するため、市や学校、保護者などの責務を明確化した「子どものいじめの防止に関する条例」が2日、岐阜県可児市議会で全会一致で可決され、成立した。3日から施行される。
○この条例は小中学生が対象で、市や学校にはいじめの解決に向けて速やかに対策を取る責務を定めた。保護者には子どもに「いじめは許されない行為」と理解させること、市民にはいじめを発見した際に通報することを努力義務として課している。また条例に基づき、いじめの調査や解決にあたる常設の「いじめ防止専門委員会」も3日付で設置される。
○冨田成輝市長は市議会で、条例可決について「行政、特に市教委が重く受け止め、いじめ根絶を決意し、児童、生徒、先生、保護者に徹底していかなければならない」と述べた。
★私のコメント
◇こんな条例が必要なぐらい、日本の社会は病んでいるのか。これが、正直な感想です。この条例が、実質的な意味をもつのかどうか、詳しいことがわからないので、何とも言えませんが、このような条例が、必要とされ、有効に機能すること自体、学校をはじめとした社会の秩序維持が、機能していないということです。
◇特に、教育の世界、それも学校という空間で、子どもたちの安全を最優先しない行動が、存在し、許容されることを当然のように想定しまうことが、私は、非常に怖いです。条例に明記しない限り、いじめなどそのような事態が起こってしまうのでしょうか。そうではないように思います。学校運営の評価を変えることで、十分悪質ないじめは減るはずです。
◇それを条例を盾にして、いじめをなくそうという発想が、非常に危ういと思います。
条例が先行し、教師の職務上の問題が、どんどん矮小化されていってしまうからです。
◇また、「条例に書いてあるから行う!」「条例に書いてないから行わない!」というのも、悲しい話です。こんな決定をする事態を私たちは、疑うことです。そうしなければ、日本の教育は、良くはなりません。