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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2012年10月20日]

世の中 さまざまにつけて はかなくうつりかはるありさま

世の中 さまざまにつけて はかなくうつりかはるありさま(紫 式部)


◇日本人の精神構造の中には、無常観がどうしてもあります。世の中は、常に移り変わって、流転していくものだという無常観が。だから、いくら頑張っても、結局は元の木阿弥になってしまって、自分の努力もはかなく消えてなくなってしまいます。そういう感情が、心の奥底に息づいています。


◇しかし、そういうものが、私たちの人生なのです。人間は自然からすれば短い寿命なのです。当然、どんどん移り変わっていくことになります。逆に言えば、それが人生の楽しみなのではないでしょうか。移り変わっていくからこそ、今この時を記憶し、次に何が来るかを楽しみにして生きていく。

そういう生き方こそ、人間の生き方なのではないでしょうか。永久不変なんてことは、人間的ではありません。想像してみてください。死ぬ時期になっても死ねない自分を。こんな状態を人間の意識は望んでいないはずです。


◇人生は、移り変わるからこそ、色々な人にチャンスがやってくるのです。
そのことを嘆かないことです。もっと言えば、そのことを楽しむことです。移り変わるからこそ、今を精一杯生きていくことです。元には戻れない人生ですから。