[2012年10月26日]
おまえの肉体の中には、おまえの最良の知恵の中にあるより以上の理性がある。(ニーチェ)
◇その昔、デカルトは人間を二つに分割して考えました。いわゆる心身二元論です。心と体に、人間を分けて考えたのです。その結果、科学は劇的に進歩を遂げましたが、その代わり変なことになってしまいました。人間が、生身の人間として扱われなくなってしまったのです。
◇人間も動物である以上、頭でも身体でもその両方で環境に対峙し、その環境の変化に応じて判断を下します。頭だけで環境と向き合っているわけではありません。身体でも環境と向き合っているのです。そして大概の場合、身体が判断した結果の方が、頭が判断するよりも優れています。たとえば、直観とかとっさの対応というのが身体の判断です。
◇身体が何かを判断した時、私たちはその身体の判断に従うべきかもしれません。ニーチェが言うように、頭の中の理性より身体という動物的な理性の方が、圧倒的に環境を深くとらえているかもしれないからです。自分の身体の声に耳を傾けましょう。