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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2012年10月28日]

模試を上手に活用して実力を伸ばそう!

模試を上手に活用して実力を伸ばそう!

 先日、8月実施の全国模試の成績を懇談会で返却しましたが、保護者との懇談の中で模試が十分活用できていない生徒がいるようだなと感じました。はっきり言うと、模試を受けっぱなしになっている生徒が多かったということです。せっかくお金と時間をかけて模試を受けたのですから、できる限り自分にプラスになるようにしてほしいものです。そこで、今回は模試への取り組み方について話しておきたいと思います。

 まず、このような全国模試をうける目的について確認しておきます。次の2点が模試を受ける大きな目的になると思います。

? 自分の偏差値の確認や、志望校の合格判定を見る。 
? 自分の弱点を確認し、強化することで、実力を一段上に引き上  げる。



 ?については、自分がテストを真剣に受けさえすれば、現在の偏差値や志望校に対する合格判定が載せられた成績表が返ってきます。進学をめざすみなさんにとって、適切な志望校を選択したり、志望校を目指すためにあとどれだけ力をつけなければいけないのか、集団の中での自分の学力位置をきちんと知っておくことは当然大切なことです。

 しかし、それだけで模試を終わらせてしまうことは本当にもったいないことです。?の目的に対する取り組みを行ってこそ、十分に模試が活用できたといえるのです。では、模試に対してどういう取り組みをすればよいのでしょうか。

 分かりやすいように、部活動と対比させながら考えてみましょう。部活動では実力をアップするためにどのような取り組みをしているでしょう。部活動は最終的には3年の最後の総体で結果を出すために練習をしていると思いますが、ただ漠然と最後の大会だけに向けて練習をするのでは、きっと目標もあいまいで単調な練習が続くだけです。そうなると、なかなか効果も上がりません。そこで、練習試合を行います。そうすると、次のような流れが起きます。

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→練習試合が決まる。→普段より練習に力が入る。本気で試合に取り組む。→自分の弱点がわかる。弱点を克服するための練習を開始する。弱点の克服

この流れを何度も繰り返すことによって、効果的に力が伸びていくわけです。

 このことは、そっくり勉強にも置き換えることができます。部活動における総体という部分が入学試験ということになるでしょう。ただ漠然と入試に向けて勉強をしているだけでは単調な勉強のくり返しになり、大きな効果は望めないでしょう。そこで、模試を受けます。練習試合に当たるのが模試なのです。

→模試が近づく。→模試に向けて勉強に力が入る。本気で模試に取り組む。→自分の弱い所がわかる。弱い所(できてなかった所)を復習する。実力が一段に上がる。


 結局模試においても、上にあげたような流れを繰り返すことで、力はついて行くのです。
 当然、模試に対する取り組みは事前の学習から始まっています。模試に向けて勉強する(普段の勉強にプラスして)、そして本気で模試に取り組むからこそ、自分の本当の力がわかるのです。そして、そこまでしてもできなかった問題、それこそが自分の弱点であり、それをしっかり復習して自分のものにしてしまうことで、実力はアップするのです。

○ 学校の定期考査でも考え方は同じです。真剣に準備し、真剣にテストを受け、復習までしてこそ、自分のものになります。
○ 模試の答案と解答は保存しておこう。次の模試など、広い範囲のテストを受けるとき、前回までの模試でできていなかった問題を見直すことがテスト対策になります。

 次の全国統一模試は1月に受験する予定です。

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○模試の偏差値って何?

 自分の学力を測定する値として「偏差値」というものを使いますが、「偏差値」とはいったいどんなものでしょう。どのような意味を持っているのでしょう。みなさんは知っていますか。

 例えば、A君は高校受験をめざす中3生です。彼は4月にある模試を受験し、次に8月に再び模試を受験しました。その結果が次のようになりました。

  4月 500点満点中の350点     8月 500点満点中の385点

 合計点は、前回よりも35点アップしました。得点をみる限りでは8月の方がよかったわけですが、これだけのデータでA君の学力は「伸びた」と判断できるでしょうか。
 答えは「ノー」です。なぜなら受験生全体の平均点がわからないというのがひとつの理由です。もしも4月のテストの平均点は340点、9月のそれは395点だったとしたらどうでしょう。4月のテストでは平均点を上まわる成績であり、9月では平均点以下の得点ということになります。受験生全体のなかでいえばA君の成績は7月の方がよかったのです。

 このように試験問題の難易度の目安となる平均点を無視して単に得点のみを比較するだけでは的確な判断はできません。では平均点さえわかれよいのでしょうか。それでも決して十分とは言えません。テストごとに受験生の人数や顔ぶれが変化し、成績も変動して、得点分布も変わるのです。(中3における模試受験生の人数が 4月 約2万人、8月 約3万人になっているのも知っていますか。)本来、試験の成績というものは、普通は同じ試験の中でしか比べることができないものなのです。そのため、集団の中で自分の学力の位置を的確につかみ、力が伸びてきているかどうかを確認するためには「偏差値」というものが必要になります。

 では「偏差値」とはいったいどんなものなのでしょう。大ざっぱにいうと、平均を50とした点数でテストの成績を見る方法です。(どのように計算するのかはとても難しいのでここでは省略します。高校の数学で学習するでしょう。)偏差値が50より上ならば平均よりも上の成績、下ならば平均よりも下の成績です。数字が高いほど良い成績、低いほど悪い成績になります。そして、「偏差値」のポイントは、異なる試験の成績でも比べることができるということです。

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 「偏差値」を使えば、異なるテストの成績を同じものさしで見ることができるようになります。例えば数学で偏差値が60、国語で偏差値が55なら、数学の方が良い成績です。4月のテストの偏差値が55、8月のテストの偏差値が50なら、成績は下がったということです。「数学と国語」「4月と8月」と、それぞれ別のテストの成績を比べられるようになったわけです。自分が弱い教科は何かがわかり、前回と今回のテストを比較できるということは、とても便利なことです。さらに、こうした利点を考え合わせると志望校選びにあたって、その高校の難易度、つまり例年その高校を受験する生徒の学力レベルや合格ラインと、自分の学力を「偏差値」によって比較検討することができるわけです。

 ただ偏差値には揺れ幅があります。自分の得意な分野がたくさん出題されて高い偏差値がでた、コンディションが悪くて低い偏差値が出たということもありますから、当然それぞれの模試の結果でも一喜一憂するでしょうが、それが全てではなく、くり返し模試を受ける中で自分の力を確認していくことが大事です。


※ 各学校の合否のボーダーラインの見方

                          
  模試の成績表や、様々な入試関係の資料の中に左のような図がよくありますが、この学校のボーダーラインはどう判断するでしょう。
  合格者数が、不合格者数を上まわったところの偏差値とみれば、57となります。このレベルが合否の境界線すなわちボーダーラインの目安と考えてよいでしょう。同時に、偏差値61以上のなかからは不合格者は出ていませんから、この高校の安全圏は61以上とみることができます。                 

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※ 偏差値は順位に置き換えられる。

 偏差値60が平均より上というのはわかるが、どれくらい良い成績かわからないという人は多いと思います。偏差値は順位に置きかえて考えることができます。順位を平均が50の点数に変換したものが偏差値だとも言えます。順位に置きかえると、成績の価値が分かりやすくなります。偏差値は異なるテストでも比べることができる点数なので、次の数字の置きかえは、テストの種類が変わっても共通で使えます。
例えば…
偏差値70なら、受験生が10000人いたら、228番くらいの成績です。
偏差値65なら、受験生が10000人いたら、668番くらいの成績です。
偏差値60なら、受験生が10000人いたら、1587番くらいの成績です。
偏差値55なら、受験生が10000人いたら、3085番くらいの成績です。
偏差値50なら、受験生が10000人いたら、5000番くらいの成績です。
偏差値45なら、受験生が10000人いたら、6915番くらいの成績です。
偏差値40なら、受験生が10000人いたら、8413番くらいの成績です。
偏差値35なら、受験生が10000人いたら、9332番くらいの成績です。
偏差値30なら、受験生が10000人いたら、9772番くらいの成績です。



 加藤学習塾では、特待生制度があります。
 その条件は
A特待生が全国統一模試で偏差値67以上(毎月の月謝と全ての諸費用を免除)
B特待生が全国統一模試で偏差値65,66(毎月の月謝を免除)
C特待生が全国統一模試で偏差値63,64(毎月の月謝を半額)
となっていますが、偏差値63以上ということは、全体の上位10パーセント以内に入っているような成績をあげた人ということになりますね。8月模試では、A特待生が7人,B特待生が2人,C特待生が7人,合計16人という前回を大きく上回る成果が出ました。本当にうれしいことです。次の1月模試も期待しています。