[2013年1月9日]
生命の特色はそのものだけでは完全ではないという点である。
生命は外に出なければならない。(タゴール)
◇上の名言によれば、私たち人間は、自己完結できるような完全な存在ではないということです。私たちは、不完全であるがゆえに、他人とかかわって、他人と共に生きていかなければ、完全には近づけない存在なのです。
◇このことは、人間の自我形成上の問題でも言えることです。私たちは、生まれてから、自分の心の中に他人を取り込み(内なる他者)、その他者をモデルにして、社会的な自我を形成していきます。完全ではないから、外からモデルを取り込んで、社会生活上支障のないような自我を形成していくのです。
◇私たちは、完全な存在にはなれないのです。だから、自分一人で完全になるような行動形式よりは、他人と共に生きていく行動形式を選び、他人と共に完全になるような方向へ向かうことです。簡単に言えば、幸せは複数形なのです。自分だけが、幸せになることはできないということです。他人と共に幸せでありたいです。