[2013年1月12日]
体罰が指導ではなくなる時!
高2自殺、主将就任以降に体罰集中か…母に話す
(2013年1月9日 読売新聞)
○大阪市立桜宮高校(大阪市都島区)の2年男子生徒(17)が昨年12月、所属するバスケットボール部の顧問の男性教諭(47)から体罰を受けた翌日に自殺した問題で、生徒が「今日も(顧問に)殴られた」などと何度も母親に打ち明けていたことがわかった。
○生徒が同部キャプテンに就任した昨年9月以降に集中していたとみられる。しかし、市教委や学校に生徒への体罰を指摘する声は寄せられていなかった。市教委は背景に、体罰が「指導」と同一視され、批判しづらい特殊な環境があったとみて調査している。
○市教委によると、生徒は自殺前日の昨年12月22日の帰宅時、母親に「今日もかなり殴られた」と話したが、遺族にさらに聞き取ったところ、それ以前から「今日も殴られた」と頻繁に母親に話していたことが判明。
家族に勧められて、生徒は自殺数日前に体罰がつらいという趣旨の顧問宛ての手紙を書いたが、顧問には手渡せぬままだった。
○手紙には「ほかの部員が同じミスをしても怒られないが、キャプテンの自分だったら、きつく叱られ、たたかれる」とつづっていたことなどから市教委はキャプテン就任時の昨年9月以降、生徒への体罰が集中していたとみている。顧問自身も、府警に事情を聞かれた際、「(生徒は)キャプテンなので厳しい指導をした」と話しているという。
私のコメント
◇今回の不幸な事件は、指導としての体罰がもたらしたものではありません。
今回の事件は、一教師の異常な性格による暴力行為がもたらしたものです。
この教師は、体罰という指導手法を建前にして、自分のストレスなのか、何なのかわかりませんが、感情的なマグマを生徒にぶつけていただけのような気がします。
◇記事を読んでみると、体罰が常態化していたようです。体罰が常態化しているということは、体罰が指導としての効果を発揮していなかったということです。つまり、体罰が暴力化して、体罰を受ける生徒は、指導と受け取るよりも、教師の暴力と受け止めていたのです。その証拠に、自殺した生徒は、教師にむけて、体罰は辛いと手紙を書いています。
◇この教師は、自分の指導力のなさを体罰という暴力で、カモフラージュしているように思えます。だからこそ、体罰が常態化していったのでしょう。
こんな事件が起こらないように、教師同士が、しっかりチェックすることです。教師同士が指導方法を議論することです。教師も成長途上の人間です。第三者が意見を言える土壌を作ることです。そうすれば、今回のような唯我独尊的な教師は減っていくはずです。