[2013年2月4日]
貧乏であることは恥ではないが、それを恥じることは恥だ。(ベンジャミン・フランクリン)
◇最近、私の幼少期の話をする機会が多いです。初めて会う人に、私の生い立ちを話すことで、私に対する理解を深めてもらえたらと、話をするのです。
私は貧しい家庭に生まれたが、その貧しさは、全くコンプレックスにはなりませんでした。それは、父も母も信念を持って生きていたからですし、自分の周りの人たちも、貧しいことを恥じてはいなかったからです。
確かに貧乏人と金持ちの格差はありました。子ども心にそう感じることもありました。しかし、大きな家に住む友人もいましたが、そんな家は、かくれんぼをする遊び場になってしまいますし、私が住んでいる長屋も、迷路のようになっていますから、友人を招いて、雨の日は、いつもそこで遊んでいました。
貧乏人も金持ちも分け隔てなく生きていました。そして、私の周りの人たちは、自分の置かれた状況を精一杯楽しんでいました。これは、子どもの私だけではなくて、父も母もそうでした。貧しい生活を何も嘆いていませんでした。
◇上の名言が言っているのは、自分の置かれた状況を受け入れろということです。まずはそこからスタートしないと人間として生きられないぞと言っているのです。貧乏であることを受け入れ、その貧乏をどうするかを考えなければ、その先がないのです。
貧乏を恥ずかしいと思うということは、自分自身が恥ずかしい人間だということです。そんなことを思っていたら、いつまでたっても、自分自身が胸を張って生きていくことはできません。そうなれば、そういう貧乏の原因を自分以外に求めてしまうことになります。それでは、自分の人生はスタートできません。
◇状況を受け入れ、その状況をどうするかを素直に背負って生きていくことです。状況に対する言い訳も愚痴も恨みも必要ありません。ただ、自分の状況を素直に背負っていくことです。