[2013年2月16日]
岡山の中学・高校受験の塾
体罰狩りにならなければよいが!
体罰調査を全公立校で実施へ…熊本県教委
(2013年2月6日 読売新聞)
○大阪市立桜宮高の男子生徒が体罰を受けた翌日に自殺した問題を受け、熊本県教育委員会(米沢和彦委員長)は5日、定例会を開き、県内の公立の全小中高校、特別支援学校を対象に、体罰の実態を把握する調査を行うことを決めた。
○文部科学省が全都道府県、政令市に出した通知を受けた措置。県は4月末までに、児童と保護者を対象にした記名式のアンケート、教職員に対するヒアリングなどで実態を把握するとしている。
○また、定例会では、昨年5月29日、公立高の男性教諭(当時59歳)が3年生の男子生徒に体罰でけがを負わせて懲戒戒告の処分(昨年8月10日付)を受けていたことが報告された。
○県教委学校人事課によると、上益城教育事務所管内の高校で、教諭が体罰をしたのは体育の授業中。「座りなさい」との指示に従わなかったため、デッキブラシで頭頂部を1回たたき、約3センチの切り傷を負わせたという。
私のコメント
◇大阪市立桜宮高校の体罰事件や女子柔道の体罰問題を受けて、日本の教育界は、体罰について大きく揺れています。体罰は、指導上行ってはいけないことは言うまでもありません。だから、体罰が常態化(日常化)していることは、教育の中で言えば、論外なことです。
だから、桜宮高校の体罰問題は、正直言って、教育問題ではありません。暴力問題であって、指導上の問題ではありません。それを指導上の問題にしてしまうと、大きな問題が、さらに生まれてしまいます。
◇それが、体罰の拡大解釈による、体罰狩りです。全国に広がる体罰の実態調査によって、色々な事実が出てくるでしょうが、そういう事実を教師に突き付けて、どうしようというのでしょうか。
教師の指導スキルを向上させないで、安易な体罰どころか、已むに已まれぬ体罰を排除することで、どういう状況が生まれるのでしょうか。生徒指導という側面で大きな問題になる可能性があります。
体罰をしないで済む教育環境を作ることをまず考えることです。そうしなければ、生徒を指導する教師がどんどん追い詰められていくだけです。そうなれば、誰が不幸になっていくのでしょうか。生徒ではありませんか。
◇体罰を教育現場から排除するためには、教師の指導スキルの向上が、必要です。体罰をしなくても生徒が生徒として行動できるように、教師の指導スキルを高めることです。そのためには、教師の研修に時間と資金を投入することです。
それをしないで、体罰は全面禁止でその管理を徹底するという方向に行ってしまうのは、教師には酷な話です。教師のモチベーションが下がってしまっては、良質な指導は望めません。冷静な対応を私たちは、することです。
(マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 中土井鉄信氏 作)