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加藤学習塾
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[2013年3月23日]

いじめ問題を社会で解決する!

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いじめ問題を社会で解決する!


(1) 横浜市がいじめ防止条例制定へ
(2013年2月27日 読売新聞



○横浜市は、いじめを防止するため、「子どものいじめ防止に関する条例」を制定する。


○市議会のこども青少年・教育委員会(大桑正貴委員長)は条例の骨子案をまとめ、学校や教職員、保護者、子どもなどの責務や、深刻な事案に対応する第三者機関の設置などを盛り込んだ。

3月に市民から意見を公募し、年内の条例制定を目指す。市議会局によると、いじめ防止の条例は政令指定都市では初めてという。


○骨子案では、いじめを、「児童生徒が、一定の人間関係にある者から心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じていること」と定義した。


○その上で、学校、保護者などの責務をそれぞれ明記し、学校は「いじめの未然防止、早期の発見と解決のため、組織的に対応する」とし、教職員は「自らの問題として受け止め、いじめの根絶に取り組む」とした。

保護者の責務は「いじめに加担しないように指導し、子どもの周囲にいる大人と情報交換する」とし、子どもの責務は「他者への思いやりを持ち、いじめを受けていると思われる子どもに声かけをし、大人に積極的に相談する」とした。


○いじめ防止に向けて、市が行う具体的な取り組みでは、中学校校区ごとに地域住民らが参加する「いじめ防止会議」を設置し、防止に向けた行動計画を策定する。

また、深刻な案件については、教育学や心理学などの専門家らで構成する第三者委員会を設置し、対応するとしている。



(2) いじめ防止、家庭も責任…自民が基本法案明記へ
(2013年3月5日 読売新聞)



○自民党が今国会への提出を目指す「いじめ防止対策基本法案(仮称)」の修正案が4日、明らかになった。


○保護者に子どもが他人をいじめないよう指導する責任があることが新たに盛り込まれた。


○修正案は、保護者について「子の教育について第一義的責任を有する。
いじめを行うことのないよう監護する子の規範意識を養うための指導などを行う」と明記。

いじめ対策を学校や教員に任せるのではなく、家庭も責任を負うことを強調したものだ。

また、教育再生実行会議が第1次提言で道徳教育の充実を求めていることを踏まえ、学校、教員に対して、「全ての教育活動を通じた道徳教育の充実を図る」ことを加えた。


○一方、原案では、いじめを「心理的、物理的な攻撃で、攻撃を受けた児童・生徒が心身の苦痛を感じているもの」と幅広く定義していたが、党内から「ささいなトラブルまでいじめと拡大解釈される恐れがある」との声が出たため、修正案では「継続的に行っている」ことを条件として加えた。


私のコメント


◇横浜市の条例案と自民党の提出法案の二つを取り上げていますが、ようやく、社会全体の取り組みとしていじめ問題が、いや学校問題が動き出そうとしています。

本来、子育ては、家庭と地域社会が担っていましたが、学制が発布されてから、徐々に地域の教育力がそぎ落とされ、家庭の教育力が衰退化して、教育に関しては学校の独占になってしまいました。

しかし、そうなると同時に、学校の教育力の独占には、無理があることも露呈されて、日本の教育は、混迷を深めていました。


◇それが、体罰の問題やいじめの問題、そして学力の問題等が、社会問題化するに至って、もう一度、社会全体で教育を考えるべきだという風潮が出、学校に教育を任せるには、あまりにも稚拙過ぎることがわかってきました。

教育界の閉鎖的な風土では、多様な価値観をもった人間を成長させることは難しいとわかったのです。高度に対応力のある人間を教育の主軸にしなければならないと言うことになりました。

そこで、民間校長等の登用となってきました。そして、今回の流れです。もう一度、教育力を三者に返して、分担させようということです。


◇子どもを社会という場で育てる教育、子どもを学校という場で育てる教育。
そして、そういう二つの場で子どもが行動できるようにする基礎的な教育をする家庭が、スクラムを組む。この考えは、今の日本には、必要でしょう。

学校の機能をどんどんそぎ落として、家庭や地域社会に教育的機能を返して行きましょう。それが、教育改革につながっていくはずです。



                                (マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 中土井鉄信氏 作)