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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2013年4月19日]

メタンハイドレートへの期待と懸念

岡山の中学・高校受験の塾

メタンハイドレートへの期待と懸念
〜「日本の海底採取成功」は何をもたらすか〜


 日本が、世界で初めてメタンハイドレートを海底から採取することに成功したと発表されたとたん各種メディアに取りざたされ、話題沸騰になっているメタンハイドレート。君たちも聞いたことがあるでしょう!?。
 そもそも、そのメタンハイドレートとは何なんでしょうか? 
 それは、次世代のエネルギーとして非常に期待されている天然資源のことなのです。メタンなどの天然ガスが水と結合してできた、個体の結晶のことで、天然ガスの一種です。見た目は氷に似ていて、火を近づけると燃える性質があり“燃える氷”とも言われています。そして、燃えた後には水しか残らないという、とても不思議な物質なのです。ドライアイスほど冷たくはなく、常温ではメタンガスと水に分解されてしまいます。それを手にするとみるみるうちにメタンガスを放出しながら溶けていき、後に少量の水が残るだけです。

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 現在、メタンにおいては油田やガス田から採掘され、エネルギー源として都市ガス、発電燃料、天然ガス車、燃料電池などに利用されています。
 そのメタンを含むメタンハイドレートが日本近郊に、埋まっているらしいいのです。と言ってもピンとこないと思うのですが、なんと、四国沖のメタンハイドレートには、1兆1,000億立方メートルにのぼる天然ガスが封じ込められていると試算されているそうです。海底で形成されるクラスレート(結晶格子によって作られた空間のなかに分子が取り込まれた化合物)からメタンガスを分離できれば、日本国内で使うガスの全量を11年間供給できるほどなのです。四国沖だけでそれですから、日本全国近郊で考えると莫大なエネルギー資源となり得ますよね。
日本は、2011年の福島原発の事故以来、エネルギー価格の高騰に苦しんできました。
2011年3月まで、同国のエネルギーの1/3は原子力発電から供給されていて、それを50%にまで拡大する計画だったのです。現在、2基を除いてすべての原発を停止させている日本は、世界最大の液化天然ガス購入国であり、石炭の輸入量も世界第2位です。そんなエネルギー問題も解決してくれる救世主になるかもしれないのです。わたし達の未来を変える可能性を秘めた夢のエネルギーなのです。

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 ただし、良いことばかりでもないのです。懸念(けねん)されていることも多々あるのです。
 例えば、海底から土を大量に取り除くと、メタンハイドレートが閉じ込められている堆積層に変化が生じる可能性がある。最悪の場合、掘削が引き金となって海底地滑りが起こり、津波が発生する可能性も指摘されています。
リーハイ大学のTae Sup Yun教授(土木工学と環境工学)は、メタンハイドレー ト抽出の危険性について警告を行い、大気中に誤ってメタンを放出した場合
の大きな危険性についても警鐘を鳴らしています。
 新エネルギーとして我が国が採取出来るならすばらしい事ですよね!ですが、解決しなければならない問題も多く有りそうですね!