[2013年6月16日]
岡山の中学・高校受験の塾
到達度テストなのに、なんで複数回あるんだろうか!
センター試験廃止も 教育再生実行会議、「到達度テスト」導入議論を開始
【産経新聞6月6日】
○政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は6日、大学入試改革に向けた議論を始めた。高校在学中に複数回挑戦できる「到達度テスト」の導入を視野に、1回の共通テストで合否が左右されるとして批判のある大学入試センター試験の廃止を含めた見直しなどを検討する。今秋にも結論を取りまとめ、安倍晋三首相に提言する。
○安倍首相は会議の冒頭、「大学入試に過度にエネルギーを集中せざるを得ないことが、わが国の教育の問題。幅広い観点から議論してほしい」と語った。
○到達度テストは、自民党の教育再生実行本部が先月、安倍首相に提出した教育改革案に盛り込まれた。文部科学相の諮問機関、中央教育審議会でも具体的な制度設計を検討している。
○到達度テストは年2〜3回の実施を想定して議論される見通し。大学側には年1回のセンター試験に比べ、受験生の学力を正確に把握できるメリットがある。一方、高校側には大学に進学せずに就職する高校生の間での序列化につながるとの指摘や、到達度テストの勉強に追われ部活動など学業以外の活動がおろそかになるなどの批判があり、導入には曲折が予想される。
私のコメント
◇センター試験が共通一次試験と呼ばれた時から、色々な問題が指摘されていましたが、今回の到達度テストは、それらの問題を解決するでしょうか。年に数回も到達度テストが実施されるとすれば、さらに大きな問題が生まれてしまうような気がします。
◇その一つが、到達度テストに対する準備=テスト対策が年数回行われ、今まで以上に労力をそこにかけなければならない状況になってしまうのではないかという点。複数回到達度テストが行われ、その度に一喜一憂し、高校3年生が、落ち着いて学校生活を送れないという問題。もう一つが、到達度テストは、いつの時点での到達度テストなのかが不明になり、結局は、複数回のうちのどれかが重要だと思われて、複数回受験のメリットを自ら消してしまうのではないかという点。もう一つは、到達度テストというからには、高校卒業の学力が各生徒に身に付いているのかどうかが、問題にされてしまい、高校の教育力が大きく問われて、日本全体の問題になりかねないこと。最後にその費用はどういう風に受益者が負担するのかということ。複数回受けられないような状況が出ないかという点。
◇私としては、高校卒業認定試験を年1回実施し、その試験結果で各大学や各企業がある程度入学・入社を許可する方式にしても良いのではないかと思います。
できれば、大学入試は、各大学が単独で行う余地を残して、各大学の求める人間像=受験生像を明確にしてほしいと思います。学力だけを画一的な基準にしない方向へ進むことが望ましいです。入社試験にしろ入学試験にしろ、人生における試練を子どもたちに味わせることは、重要なことです。ここにエネルギーをかけておかしいはずはありません。敗者復活戦は、負けを自覚した時点で行うべきです。負けないような配慮は必要ありません。このことをよくよく考えてほしいです。シンプルな制度にしてほしいと思います。
(マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 中土井鉄信氏 作)