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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2013年6月22日]

『子どもと離れつつ、子どもを守る』

岡山の中学・高校受験の塾

『子どもと離れつつ、子どもを守る』
   
◇親と子どもの心理的な距離で、親子のコミュニケーション環境は、大きく変わってくるものです。
子どもを自分の分身だとしか思っていない場合は、心理的な距離は非常に近いですし、子どもを一個の独立した人間だと思っている場合は、心理的な距離は、取られています。
親が、子どもをどう見ているかで、心理的な距離は変わります。

◇心理的な距離があまりにも近すぎては、お互い感情的になりすぎて、愛憎感情が大きくなりますし、あまりにも遠いと愛情が伝わり難くなって、愛情確認のための問題行動が多くなってしまうかもしれません。
親は、意識して子どもと適切な距離を取るようにしたいものです。

『子どもと離れつつ、子どもを守る』

◇子育てにおける子どもと親の距離は、子どもの成長に合わせて、徐々に拡大していかなくてはなりません。
乳児では、親子完全密着ですが、一人で立って歩けるようになった頃から徐々に親は、物理的にも精神的にも距離をとって、子どもの成長を見守ってやらなくてはならないのです。
「子どもと離れつつ、子どもを守る」ように、育てなければならないということです。

◇たとえば、問題を起こした子どもに対応する時、心理的な距離が近すぎてしまうと、カッとなって冷静さを欠いてしまうことが多いはずです。
「子どもは何でこんなことをしたのだろうか?」と冷静に考えられる余裕を持てれば、感情を抑えて対応できるはずです。
そういう時に、こんな風に考えてほしいのです。
「自分の子どものやらかしたことではなく、他人の子どもがやったこととして、まずは、受止める」ということです。
まずは、自分(=親)から、独立した第三者として子どもを見てください。

◇日本の教育風土で言えば、母子癒着型の子育てが、私たちの底流にあることは、致し方のないことです。ですから、自然と子どもをいつでも自分の側において庇護しようとしてしまいますが、子どもが歩いてどこへでも行ってしまうようになったら、独立した第三者として、離れつつ、守っていくことが子育てなのだと思ってみてください。

◇繰り返しますが、自分の子どもが問題行動を起こしたら、他人の子どもが起こした時の対応をまず頭に思い浮かべてみてください。
たとえば、子どもが牛乳をこぼしたら、他人の子どもが牛乳をこぼしたように対応してみてください。
まず他人の子どもを気遣って(牛乳がかからなかった?)、こぼれた牛乳を拭いて、おかわりを用意する。こんな感じで対応していこうと決めてください。

◇実は、こういう対応が、セルフ・エステームを高めることに繋がっていくのです。
ぜひ、心理的な距離を意識的に子どもと取るようにしてください。
親子のコミュニケーション環境は、驚くほど改善するはずです。

『子どもと離れつつ、子どもを守る』



                               (マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 井上郁夫氏 作)