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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2013年7月2日]

★アベノミクスとは★

岡山の中学・高校受験の塾

★アベノミクスとは★

安倍首相の「アベ」と経済の「エコノミクス」をあわせた造語です。
安倍首相の一連の経済政策を指す言葉です。

 安倍首相就任前の日本は物価水準が継続的に下がる「デフレ」と呼ばれる状態でした。物価が下がるのは物が安く買えるので、いいことのように見えるかもしれませんが、これは販売店や製造会社の利益が少なくなることを意味します。
 利益が減ると給料も下がるし雇用も少なくなります。

 利益が減る→給料が下がる→安い物しか買えない→物が売れないから値段を下げる →また利益が減る→給料がもっと下がる・・・と、負の連鎖が続くわけです。

 この負の連鎖がどんどん加速して「デフレスパイラル」と言われる状態になると、失業者がどんどん増えるとともに、国や自治体の税収も減って、日本全体がどんどん貧しくなっていくわけです。
 この「デフレ」を断ち切るために、安倍内閣では物価を2%上昇させることを目標に定めた「インフレターゲット」という方法をとっています。
 物価の下落を止めて、

 企業の利益を増やす→給料が上がる→値下げしなくても物が売れる→利益が増える →また給料が上がる・・・

とデフレの逆の流れを作ろうとしているわけです。

 お金をどんどん市場に流して、製品の輸出の足かせとなっていた円高を止めて外国に物が売れるようにし、それで得た利益を従業員の給料への還元や民間投資を行うように経済界に依頼したり、また公共投資をじゃんじゃん増やして地方などにお金が行き渡るようにするなど、かなり大胆なことをやろうとしています。
 市場に流通させるお金を国債という国の借金でまかなうわけですから、財政について問題点も指摘されますが、とにかく今はデフレを止めるために、お金を市場に回すことを最優先に行ってる経済政策、これがアベノミクスです。

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 また、別の解説では次のようにもなっています。

 アベノミクスとは、

 第2次安倍内閣が掲げた経済政策のことです。
具体的には、2012年12月26日より始まった第2次安倍内閣において、安倍首相が表明した「3本の矢」を柱とする経済政策のこと。政策の最大目標を経済回復と位置づけ、デフレ脱却を達成するために日銀法の改正まで視野に入れたことで国内だけでなく世界からも注目を集めている。アメリカのオバマ大統領をはじめ各国の識者・政府関係者から支持されているが、一方韓国や中国などからは批判も出ている。

3本の矢

○大胆な金融政策
 バブル崩壊以降の20年間における不況の最大要因をデフレと捉え、デフレ脱却を目指すべくインフレターゲットの導入を決定。そのために、これまで独立性が重視されてきた日銀に対して、日銀法の改正も視野に入れた上で2%の物価目標を掲げるよう働きかけ、その目標が達成されるまでは無制限の量的緩和策をとることを決定しました。

○機動的な財政政策
 政府は2013年1月15日、過去2番目の規模となる13兆1千億円の補正予算案を閣議決定しました。内訳は、東日本大震災の復興費を含む”復興・防災対策”に3兆8千億円、通学路の安全対策など”暮らしの安全・地域活性化”に3兆1千億円、さらに再生医療の実用化支援など”成長による富の創出”に3兆1千億円となっています。

○民間投資を喚起する成長戦略
 産業競争力会議において7つのテーマ別会合を開き、2013年6月をめどに具体案をまとめるとした。7つのテーマは以下の通り (1.産業の新陳代謝の促進 2.人材力強化・雇用制度改革 3.立地競争力の強化 4.クリーン・経済的なエネルギー需給実現 5.健康長寿社会の実現 6.農業輸出拡大・競争力強化 7.科学技術イノベーション・ITの強化)

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★アベノミクスとTPP

 アベノミクス3本目の矢である成長戦略において、重要なカギとなるのがTPPである。円安誘導に続いて貿易品目の関税撤廃が加われば輸出産業にとって追い風となる事が明らかだからだ。2013年2月23日、ホワイトハウスでオバマ米大統領と会談した安倍首相は「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」として事実上のTPP参加を表明した。

 自動車産業を守りたいアメリカと米農家を守りたい日本の思惑が一致した格好だ。共同声明では「全ての物品が交渉の対象とされる」との原則が改めて確認されたが、TPPが日本経済回復の起爆剤となるかどうかは今後の交渉にかかっていると言える。

★TPP環(太平洋パートナーシップ協定)とは

 TPPとは、日本・米国を中心とした環太平洋地域による経済連携協定(EPA)の意味である。正式名称はTrans-Pacific Partnership(略してTPP)という。別名、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement。日本語で表記の場合は、環太平洋戦略的経済連携協定となる。2013年2月23日、アベノミクスを推し進める安倍首相は「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」として事実上のTPP参加を表明しました。翌月3月15日にはTPP交渉への参加を正式に表明し、これからの交渉に全国民の関心が集まっています。

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★TPPのメリット・デメリット

様々な主張・意見・反論・異論があり、効果の試算についても学者間で開きがあるが、概ね以下のようなメリット・デメリットが生じると推測されている。

TPPのメリット

関税の撤廃により貿易の自由化が進み日本製品の輸出額が増大する。
整備・貿易障壁の撤廃により、大手製造業企業にとっては企業内貿易が効率化し、利益が増える。
鎖国状態から脱しグローバル化を加速させることにより、GDPが10年間で2.7兆円増加すると見積もられている。

TPPのデメリット

海外の安価な商品が流入することによってデフレを引き起こす可能性がある。
関税の撤廃により米国などから安い農作物(特に米)が流入し、日本の農業に大きなダメージを与える。
食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和により、食の安全が脅かされる。
医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国保制度の圧迫や医療格差が広がると危惧されている。


★TPPの問題点

ISDS条項(ISD条項)
海外起業を保護するために内国民待遇が適用される。これにより当該企業・投資家が損失・不利益を被った場合、国内法を無視して世界銀行傘下の国際投資紛争解決センターに提訴することが可能。結果、日本政府や自治体は法外な賠償金を請求されるか、不都合な法律改正を迫られる可能性がある。

ラチェット規定

 一度自由化・規制緩和された条件は、当該国の不都合・不利益に関わらず取り消すことができない。

TPP離脱に対する訴訟リスク
TPPのルール上、離脱はいつでも可能とされるが、実際上は海外企業からの莫大な損害賠償請求が予想されTPP離脱は極めて困難と考えられる。


理想的なシナリオ 最悪のシナリオ

デフレ対策におけるアナウンスメント効果 デフレ対策におけるアナウンスメント効果
     ↓ ↓
円高修正(円安誘導)・株価上昇 円高修正(円安誘導)
     ↓ ↓
輸出企業の利益増加 補正予算のために大量の国債を発行
     ↓ ↓
雇用拡大・所得増加 消費税増税による景気減速・税収減
     ↓ ↓
消費拡大・インフレ期待の高まり 財政規律の悪化による国債&円の信認低下
     ↓ ↓
物価上昇(インフレ率2%へ向けて) 国債価格の下落&過度な円安
     ↓ ↓
内需産業の利益増加 経済再生失敗&食料品・資源価格の上昇
     ↓ ↓
本格的な景気回復 スタグフレーション

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★アベノミクスに対する批判とそれに対する反論

○日銀の独立性に反する政策は円そのものの信認を揺るがしかねない。

反論:中央銀行(日銀)の役割は物価の安定であり、自国の経済を安定的に発展させることにある。自国の経済が長期間にわたって停滞している現状においてその責任の一端が金融政策にあると認められる場合は、中銀の独立性よりも経済再建の方が優先されるのは明らかである。

○日本におけるデフレの原因は人口減少であり、日銀にその責任を転嫁するのは間違いだ。

反論:ドイツやイタリアなど人口が減少している国は他にもあるが、長期的なデフレに陥っているのは日本だけである。デフレの根本的な原因は日銀のとってきた消極的な金融政策スタンスにある。デフレとはあくまで貨幣現象であり生産年齢人口の減少にその原因があるとする考えは日銀の責任転嫁にすぎない。

○政府における意図的な円安誘導は通貨安競争を招きかねない

反論:デフレ脱却を目的とした金融政策の中で市場の期待が円安という形で表れただけである。そもそもリーマンショックの後、世界各国が金融緩和を進める中で日本だけが円高という苦しみに耐えてきた。今はその過度な円高の修正局面にすぎない。日本経済の再生は長期的に見れば世界経済にとってもプラスになる。

○物価目標を2%に上げることで資産バブルやハイパーインフレを招くのではないか

反論:これまで日銀の「1%を目処」とした政策ではデフレ脱却には至らなかった。インフレ期待とは正に期待であり、国民と市場に訴えかけて初めて効果が表れる。その意味で2%の物価目標は、経済的に成熟した国家に必要なマイルドなインフレ(1%前後)を生み出す原動力としてインパクトある数値だと考える。そもそも、2%の目標達成を疑う声がある中で、資産バブルやハイパーインフレを危惧するのはあまりにも飛躍した考えである。

今年は、入試で「アベノミクス」についてきかれることもあるかもしれません。少しでも参考になればと思い取り上げてみました。
 これからもニュースに耳を傾け、注目していってください。