[2013年8月22日]
2004年9月号の加藤だより(塾 NEWSLETTER)です。
コラム
秋になると
▲秋になると、また学校が始まります。しばらくの間、会っていなかった先生や友達とまた顔を合わせることになります。ひさしぶりに会ったときは、相手がなんだかちょっと変わってしまって、変な感じがするものです。その分だけ、自分も相手も少し成長したのです。毎日見ているとよくわからないことが、少し離れてみるとよくわかるのです。
▲秋になると、日が短くなります。その分だけ夜の時間が長くなるということでもあります。「秋の夜長」と昔からいわれ、夜が長いために、いろいろなことができるということです。夏の頃のように7時頃でもまだあかるいのなら、家に帰るのも遅くなってしまったりしてしまいますが、秋になると早く暗くなるので、家に帰る時間も早くなるものです。そしてそれだけ家にいる時間が長くなるというわけです。
▲秋になると、朝晩が涼しくなります。それから「昼間は冷房、夜は暖房」などという時期が少しあり、そして昼間も涼しくなってきます。だんだん冬に近づいてくるのですね。夜が長く、しかも涼しくなって過ごしやすくなると、いろんなことがしたくなります。
▲秋になると、「読書の秋」といわれます。朝晩が涼しくなって、夜の時間が長いと、テレビなんか見ているのがいやになってきて、本でも読み、ゆっくりとしたいと考えるようになるものです。本を読むと、ものごとを考えるようになるし、いろいろなことがわかって自分が豊かになるし、いいことばかりです。だから昔から人はたくさんの本を書き、読んできました。落ち着いて読み、ものを考える中で、人は成長していくのです。そのために一番いい時期が秋なのです。
▲秋になると、「芸術の秋」といわれます。秋になると、人はいろいろなものを自分の栄養として吸収しようとするものです。芸術は心の栄養です。いい絵画を見たり、いい音楽に触れると、人は何かしら生きていく喜びのようなものを見つけ、生き生きとしてくるのです。時には自分でも何かを書いたり作ってみようという気持ちになることもあります。
芸術家たちも、作品展や音楽会など、自分の作品を発表する場を、多くは秋に持ちます。
だから秋は、心の栄養を十分に摂取し、豊かな心になって大きな人間性を得る最良の機会なのです。
▲秋になると、「食欲の秋」といわれます。人間は心の栄養だけでも生きていけません。もちろんいい食べ物を適度にとっていくことも必要です。秋はいろいろな食物の収穫時期であり、たくさんの種類の食べ物が「食べ頃」になります。おいしいものがたくさんとれることから、食べることが豊かになる時期なので、こう呼ばれるのです。
食欲の秋だからとにかくたくさん食べればいいのかというと、そうではありません。秋でないと食べられない旬のものを大事に食べる。これによって、収穫の喜びや、春から丹誠込めて作り上げてきた人たちの苦労をしのんだりすることなどを思うことが、食欲の秋の本当の喜びなのではないかと思います。
▲秋になると、学校は「行事の秋」です。二学期は一年のうちでも最も長い学期です。いろいろな学校行事もこの時期に行われることが多いのは、やはり気候が良くなって、外で活動しても効果があったり、長い学期での、授業と行事の兼ね合いがうまくいったりするからでしょう。
人と人との関係を大事にし、行事という特別の時にも、人といい関係を作り続けられるように心がけることが、「実りの秋」にふさわしい態度なのではないでしょうか。
▲秋になると、塾では「勉強の秋」です。さて、塾では勉強の秋を迎えます。夏期講習があって、みんながんばって塾に通いました。中学生は週に6日間でしたから、一週間のうち塾のないのが1日だけという、きびしいスケジュールでした。それでも部活動やいろんな行事の合間を縫って、よく通ってきましたね。
秋になって学校の授業が再開すると、その成果を試すことになります。みんなは、夏の間遊んでばかりで勉強から遠ざかっていたのではないのですから、この秋にこそ、グンと飛躍できるはずです。
せっかく夏の間に蓄えた基礎学力を無駄にすることのないように、また毎日の授業を大切にし、毎日毎日コツコツと時間をとって勉強をしましょう。
中1なら毎日2時間、中2なら毎日3時間、中3なら毎日4時間。これを目標にしてとにかくがんばってください。
特に中3生は、これから受験体制に入っていきます。基礎的な学習のできるのも今が最後です。たくさんの応用問題に取り組んでいく時期が来る前に、もう一度自分の苦手を勉強し直しておいてください。