[2013年8月23日]
2004年9月号の加藤だより(塾 NEWSLETTER)です。
パズルの時間で〜す
第1問
ここはある塾の教室です。なぜか教室には、赤い帽子と白い帽子が全部で5つありました。赤い帽子が3つ、白い帽子が2つです。
その部屋に三人の塾生がやってきました。「カトウくん」「ガクシュウくん」「ジュクくん」です。
塾の先生はあることを思いつきました。三人の塾生にそれぞれ帽子をさっとかぶせたのです。三人は、自分がどちらの色の帽子をかぶせられたのかわかりません。そしてそのまま授業が始まりました。
授業中は後ろを向いたり、自分の帽子の色をtらしかめたりすることは許されません。ただ前を向いているだけです。だから自分の前の人の色しか見えないのです。カトウくんが一番後ろ、二番目がガクシュウくん、そして一番前がジュクくんです。カトウくんには、前の二人の色が見えています。
先生がカトウくんに聞きました。「カトウくん、君の帽子の色がわかるかね?」「わかりません」
つぎにガクシュウくんに聞きました。「ガクシュウくん、君の帽子の色がわかるかね?」「わかりません」
最後に一番前にいるジュクくんに聞きました。「ジュクくん、君の帽子の色がわかるかね?」
なんとジュクくんは「はいわかります」と答えたのでした。自分の色だけでなく、他の人の色も見えないジュクくん、どうやってわかったのでしょうか。
もちろん「こっそり見た」「こっそり教えてもらった」なんていうインチキはなかったものとします。
第2問
次の週、塾には大量の赤い帽子と白い帽子がありました。なぜかわかりませんが、たぶん10000個(?)はあったでしょう。
そこへ、カトウくん、ガクシュウくん、ジュクくんの三人が来ました。先生はまた三人に帽子をかぶせました。それぞれ、自分のかぶせられた帽子の色はわかりません。
先生はこういいました。「少なくとも一つは赤い帽子だ。」そして本当は三人に、全部赤い帽子をかぶせたのです。
先生は三人に聞きました。「この中で自分の帽子の色をわかる人はいるか?」すると三人はしばらく考えていました。しばらくしてから三人とも声をそろえて言いました。「僕の帽子は赤です。」先生はびっくりしてしまいました。三人はそれぞれどうやって自分の帽子の色をわかったのでしょうか。
もちろん今回も、「自分で自分の帽子の色を見た」とか「他の人に教えてもらった」とかいうのはナシです。
第3問
複雑な問題がならんだので、ちょっと単純な問題をやってみましょう。ズバリ、
「世界で一番難しい問題とは?」
第4問
田中くんに電話がかかってきました。
「もしもし。おう、オレだ、オレ。」
どうやら友達からのようです。
「えっ?ああ、それなら知っているよそりゃ、〇〇〇〇…」
実はそこからよく聞こえなくなってしまったのですが、友達に何か聞かれて説明していたようでした。
電話を切ったらすぐにまた、電話がかかってきました。
「もしもし。おう。オレだ、オレ。」また別の友達のようです。「何、またその質問か。さっき△△からかかってきたばかりだ。オレはそんなこと知らないよ。オレに聞いたって答えられないだろう。そんな電話かけてくるな。」
こう言って、田中くんは電話を切ってしまいました。
びっくりした私は、はじめの電話とあとの電話が誰からだったのか尋ねました。するとどちらも田中くんの仲の良い同級生です。どうして田中くんは、はじめの友達には教え、あとの友達には教えなかったのでしょうか。
もちろん「田中くんの機嫌が悪かった」とか「あとの友達を嫌いだった」などということではありません。また二人とも全く同じ質問の電話をかけてきたことも間違いないのです。
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(解答)
第1問
もしジュクくん・ガクシュウくんの二人が白だったら、カトウくんはすぐに自分のが赤だとわかるはずです。それなのにわからないと言いました。
そうでなかったら、考えられるのは赤白ひとつずつであるか、両方とも赤である場合です。もしガクシュウくんが前にいるカトウくんの帽子を見て白だったら、ガクシュウくんは自分の色が赤だと言えることになります。しかしガクシュウくんが「わかりません」と答えたので、ジュクくんは赤だということになります。
だから答えは赤なのです。
第2問
カトウくんの立場で考えてみましょう。
仮に「自分の帽子は白だ」とすると、ガクシュウくんはカトウくんの白とジュクくんの赤を見ていることになります。そしてそのときジュクくんはカトウくんの白とガクシュウくんの白を見ていることになるはずです。そうしたらジュクくんはすぐに「赤だ」といえるはずなのです。しかししばらく考え込んでいたので、そうではないとわかったのでした。
これは、もとになっている「自分は白だ」というのが間違っているということになるはずです。そこで自分が赤だとわかったのでした。三人が同じように考えたので、三人とも自分の帽子の色がわかったのでした。
第3問
「何が世界で一番難しい問題なのだろうか」
が、答えです。
第4問
電話が立て続けにかかってきたとはいえ、二人の友達は同時にかけてきたのではありません。
だからたとえば「今日のプロ野球の結果はどうだった?」と言う電話がかかったあとすぐに午前0時を過ぎてしまったなら、あとの友達の電話には、今日の野球はまだ行われていないことになるから答えられない。
ほかにも答えはたくさん考えられるだろう。