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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2013年10月12日]

教育ニュース

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もっとも勉強するのは中学生、4割近くが2時間以上

 学習塾や予備校、家庭教師について勉強する時間を含め、平日、学校以外で何時間くらい勉強するかを学校段階別にみると、平均の家庭学習時間は、小学生が81.5分、中学生が87.0分、高校生が70.5分となっている。
「2時間」以上勉強する子どもの割合は、小学生が26.2%、中学生が37.7%、高校生が28.8%となっており、ほぼ全員が高校受験を控える中学生の家庭学習時間が長くなっている。また、「3時間」以上勉強する子どもの割合は、小学生が12.6%ともっとも多く、中学受験に挑む一部の子どもの学習時間が長いことがうかがえる。
「ほとんどしない」子どもの割合は、小学生が8.3%、中学生が12.7%、高校生が24.3%と、年齢が上がるとともに増加している。次項より高校生の家庭学習時間は二極化(局所化)しており、成績や進路と関係していることがうかがえる。

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偏差値中位の高校生の勉強時間が激減

 平日の平均家庭学習時間(学習塾や予備校、家庭教師について勉強する時間を含める)を、成績の自己評価別(小中学生)、在学する高校の偏差値帯別(高校生)でみると、大きくは、1996年、2001年と減少傾向にあったが、2006年には増加に転じている。2002年に学校週5日制が完全実施され、子どもの学習時間の減少が問題として取り上げられたことなどが要因と考えられる。
 小学生は、成績の自己評価別に平均家庭学習時間が大きく異なっていて、「成績上位層」ほど長時間勉強している。とくに、2001年から2006年にかけての「成績上位層」の学習時間の伸びは著しく(約17ポイント増加)、学校での学習時間の減少を家庭学習で補おうとする意識が強く働いていることが推測される。
 中学生の平均家庭学習時間の変化をみると、小学生ほど成績の自己評価による顕著な違いがみられない。
 高校生は、在学する高校の偏差値帯別に平均家庭学習時間が大きく異なっていて、「偏差値55以上」の高校の生徒と「偏差値45未満」の高校の生徒では、学習時間に2倍以上の開きがある。また、「偏差値50以上55未満」の高校の生徒の学習時間の減少が著しく、1990年は「偏差値55以上」とほぼ同じ112.1分であったのが、2006年には60.3分と約半分に減っている。
 大学や学部の新設ラッシュと少子化が相まって「大学全入時代」が始まると言われているが、大学を選ばなければ誰でも入学できることが、偏差値中位の高校生の家庭学習時間に、影響を与えていると考えられる。

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中学校の「定期テスト」は学習習慣をつけるチャンス

 中学生時代は、すべきことやしたいことがたくさんあり、とても忙しいと思います。そんな中、家で一人勉強する時間をどう確保するかは、彼らにとって切実な課題。今回は、一人で勉強を進める契機としての「定期テスト」の活用方法についてお話しします。

●中学生になると、家で勉強しなくなる生徒が増加
 中学生は家でどのくらい勉強しているのでしょうか? 2009(平成21)年度の調査結果では、「家でほとんど勉強をしない」と回答する中学生は、2割もいます。ほとんど勉強をしない子どもは、小学校→中学校→高校と増えていきますが、特に小学校から中学校に上がる際に、その割合が急に増えることがわかります。中学校の先生から伺う声をまとめると、その大きな要因は「部活中心の生活になり勉強時間が確保できない」「内容が難しく、家で勉強をする気がおきない」の2点のようです。
 部活動も忙しい中で、難しくなる学校の勉強についていくために、家庭での学習は不可欠ですが、いったいどのようにしたら、家で一人で勉強できるようになるのでしょうか。

●小学校と中学校の違いは定期テストの有無
 小学校と中学校での大きな違いの一つは、「定期テスト」の有無です。3学期制の学校では、1・2学期に「中間テスト」「期末テスト」を、3学期に学年末テストを実施し、また、2学期制の場合は、前期に2回、後期に2回の定期テストを実施するケースが一般的です。最近では、各教科で一つの単元が終了するごとに「単元テスト」を実施し、テストを活用して学力を評価する機会を多くしている学校が増えてきたように感じます。
ではなぜ、テストの機会を増やすのでしょうか。ある中学校の先生は次のように話していました。「テストがあると、生徒はそれを目標に勉強をします。学期に2回の定期テストだけでなく、単元ごとにテストを実施すると、短いスパンで目標を立てられるし、テスト範囲も狭くなるので、生徒が何を勉強すればよいのかが明確になり、学びに向かいやすくなるのです」

●理想は「自分で目標をたてて、計画をつくり、一人で学べる」ことです。
 定期テストは、短いスパンで目標をたて、計画をつくり、実行することのできるとても良い機会です。保護者の皆さんも、お子さんの計画づくりに参加してみてはどうでしょうか。また、お子さんが勉強している同じ時間に、保護者も読書をするなど、勉強の「時間」を共有してみてはどうでしょう。ひょっとしたら、子どもも「一人じゃない」と感じて、勉強に向かいやすくなるかもしれません。